モントリオール・コンクールの優勝はZoltán FEJÉRVÁRI ♪

気がついたらモントリオール国際ピアノコンクールも終わってしまって、入賞者が決まっていた…(^^;)。

今回は何だかドタバタしていて、モントリオールもルービンシュタインもほとんど聴いていない。せめて優勝者の演奏だけでも聴いておこうと思って、チェックしてみた。

最終結果のプレスリリース(PDF)はこちら。1〜3位は下記。

1位:Zoltán FEJÉRVÁRI (Hungary)
2位:Giuseppe GUARRERA (Italy)
3位:Stefano ANDREATTA (Italy)


Zoltán Fejérvári は30歳でこんな(↓)風貌のピアニスト(名前と写真からコンクールのプロフィール・ページにリンク)。長い指で軽く弾いただけでクリアないい音を出す。


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それにしても Fejérvári はどう読むのだろう?と考えていたら、ふとデジャヴ感覚に襲われた!…で、調べてみると、ありました…(^^)♪ ねもねも舎の下記の記事。

✏️ボルレッティ=ブイトーニ財団のアワード2016が発表(2/2)

この記事では「グーグル翻訳のページで読み上げてもらいましたが『ゾルタン・フェイエルヴァーリ』と聞こえました」と書いてあった。で、私が「フェイェールヴァーリ・ゾルターンと書いてあるブログを見つけました」などとツィートしていたりする。

1年以上前の話で、このピアニストの演奏を聴いてもいないのに、読み方を悩んだことだけは頭のどこかに残っていたらしい…(^^;)。

今日のところは、間延びしていない方の「ゾルタン・フェイエルヴァーリ」を採用することにしておこう。そのうち日本でも有名になれば、日本語表記も決まってくるだろう。

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さて、コンクールでの演奏(YouTube 音源)を聴いてみた。とりあえず、ファイナルのコンチェルトとセミファイナルのリサイタル。


CMIM 2017 - Finale - Zoltan FEJERVARI

ファイナルの曲は Béla Bartók のピアノ協奏曲第3番。もしかすると初めて聴く曲で、そのせいか新鮮な印象。

演奏は音がクリアでかっちりしている感じだが、どことなく優等生的な感じがする。ある意味「正統派」(個人的には「面白みに欠ける」と同義語に近い部分もある…)。ということは大成する可能性もあるかも知れない。


CMIM 2017 - Demi-finale - 3/4

この音源は3人のリサイタルが入っていて、ゾルタン・フェイエルヴァーリは2番目: Nathanaël Gouin (France)→ Zoltan Fejérvári (Hungary)→ Stefano Andreatta (Italy)。

タイムスタンプでいうとフェイエルヴァーリは「1:16:28〜2:12:10」あたりで、演奏曲目は次の通り。

Béla Bartók: Improvisations on Hungarian Peasant Songs, op. 20
André Mathieu: Laurentienne no. 2 in C-sharp minor
Leoš Janáček: 1. X. 1905, Z ulice (Sonata)
Robert Schumann: Humoreske in B-flat major, op. 20


あまり聴いたことのない曲が多いので(つまり自分の中に「基準」みたいなものがないので)、直感的な判断しかできないが…。

音質はわりと好きなくっきりした響き。全体的な雰囲気としてはどことなく詩情の豊かさのようなものを感じる。音楽の構成はスキがないというか、コンチェルトでも感じた「かっちり感」があって、とても誠実に音楽に向き合っている感じが好ましい。

このなかではシューマンの「フモレスケ」が一番好きだった。というか、ある程度聴いたことのある音楽ということで、親しみをより感じたり、これまで聴いたシューマンとの比較ができているからかも知れない。

もう少し、大胆さ(ダイナミックさ)といい意味での「緩さ」(私の言葉では「面白み」)が加われば、もう一回り大きく成長できる可能性を感じた。

一つ期待できそうなのは、レパートリーがバルトークとかヤナーチェクとか、少し面白そうなこと。第1ラウンドではリゲティ(György Ligeti)の ‘À bout de souffle’ (Études, book 3: No. 17) も弾いている。これはちょっと聴いてみたい。

本人公式サイトの MULTIMEDIA のところにも、いくつかの音源が掲載されている。

とりあえず、今日は疲れたので、また日を改めてもう一度聞いてみようと思っている。(5月11日 23:07記)







ZEE ZEEというピアニスト ♪

オックスフォード・ピアノ・フェスティバルのサイトをチェックしたときに、何人か知らないピアニストがいた。その中の若手2人を少し聴いてみたのだが、中国の Zhang Zuo(ツァン・ツォ?)がちょっと良かったので「お気に入り」候補になるかも知れない。

参考:《オックスフォード・ピアノ・フェスティバル、凄い!♪》

音がクリアできれい。ただ音がきれいというだけではなく、その音でしっかり音楽が構築されていて、演奏が若々しいというか清冽というか、聴いていて好感が持てる。「詩心」みたいなものを感じる。

あえて注文をつけるとすれば、もう少し音質に変化があった方がいいとか、もう少し深みがほしいとかいったことがあるかも知れないが…。たぶん、そんな必要もないだろう。


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上の写真は彼女の公式サイトだが、なぜか "ZEE ZEE" となっている。通称か愛称として使っている名前のようだ。なんと読むのかな…?

生まれは中国深圳市、1988年。"the 1st International Piano Competition in China" で優勝したとあるが、どんなコンクールなのかは分からない。

公式サイトには、マネジメント: "CAMI Music" となっているので、けっこう実力を認められているピアニストのようだ。

ちなみに、CAMI(コロンビア・アーティスト・マネジメント)は有名な大手音楽代理店でルカくん(リュカ・ドゥバルグ)がチャイコンが終わってすぐに契約したときに、初めてその名前を知った。

《ルカ・ドゥバルグ君、大手音楽代理店と契約!》

このときに引用したピアニスト一覧の写真を見ると、最後に Zhang Zuo がちゃんと載っている…(^^)♪

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音源は YouTube にある程度あがっているが、公式サイトの MEDIA というところからもいくつかリンクされている。2013年のエリザベート王妃国際ピアノコンクールで5位に入賞しているので、そのときの音源もある。

その中で一番気に入ったのがシューベルトのピアノソナタ第13番。YouTube のタイトルでは "Piano Sonata #15" となっているが、単純なミスだろう…。

ZEE ZEE plays SCHUBERT Piano Sonata #15 In A major, D.664 - 1. Allegro moderato / 2. Andante / 3. Allegro

この音源はなぜか「限定公開」になっているので、公式サイトからしかたどれない。(ここにリンクを貼っていいのか悩んだが、公式サイトで公開しているので大丈夫だろう…)


ラヴェルの「夜のガスパール」(オンディーヌ)もわりと好きな演奏だ。

Maurice Ravel Gaspard De La Nuit played by Zhang Zuo(Zee Zee)

パーヴォ・ヤルヴィ指揮のベートーヴェンのコンチェルト第1番もなかなかの好演。

Ludwig van Beethoven - Piano concerto No. 1 / Zee Zee / Paavo Järvi / Estonian Festival Orchestra

ちょっと危なっかしいところもあるが、シューマンの "Symphonic Etude" もいい感じ。

Robert Schumann 12 Etudes Symphonic playd by Zhang Zuo(Zee Zee)


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もう一人の若手 Saleem Ashkar(サリーム・アシュカー:1976年〜、イスラエル)も少し聴いてみた(↓)が、こちらは音が少し硬すぎてあまり好みではなかった…。

Saleem Ashkar - Highlights from the second recital in his complete Beethoven Sonata Cycle
Saleem Ashkar - Beethoven Piano Sonata No 31 in A flat, op. 110 (Complete)







ベートーヴェン:ソナタ13番最終楽章、ぼちぼち?

ベトソナ13番の最終楽章、このところ近況報告が滞りがちだ…。まぁ…、これは、要するに練習の進捗も滞っている、ということである。

前回の《ベートーヴェン:ソナタ13番最終楽章、苦戦中…》で、「提示部」ブロック①〜⑤の進み具合を%で書いてみたが、その数字が目に見えるほど進んでいない。

唯一進んだのは「暗譜」くらい…。楽譜なしで練習できる程度には覚えた。ただし、それに指がついていかない…。

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10分間練習×6 のルーティーン?にも少し飽きて来たので、大胆にも(不届きにも?)次の「展開部」に手をつけてしまった。

まだ始めたばかりなので、進捗度などないに等しいのだが、一応それらしい数字を入れてみた(↓)。

記号は、💚は「暗譜したかどうか」、🎹は「ゆっくり楽譜通りに弾けるか」、🆗は「テンポや強弱も含めて自己満足できるレベルに達したか」の100%表示。


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①は最初の入り方以外は提示部の①と同じなので同じ進捗%。②' は後半の短調になっている箇所がなかなか覚えられない…。

いま一番面白いのは⑥と⑦。 …なのだが、⑥は指使いがまだ揺れているし「暗譜」ができない。⑦はなんとなく分かりかけていてもう少しで覚えられそう、という段階。この箇所の音のパターンはわりと好きみたいだ ♪

一応、⑧と⑨まで弾いてみてはいるが、まだちゃんと練習するまでには至っていない。

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ところで、最近ひさしぶりに「脱力」を意識し始めた。…というか、「10分間練習」で同じ箇所を何度も弾いて、指に覚えさせようと「一生懸命」にやっていると、無意識のうちに力んでしまっている、ということに気がついたのだ。

なので、ときどきフレーズ全体を p で「脱力」を意識して弾いてみると、これが案外うまくいったりするのだ。

もう一つ気づいたのは、「一生懸命」やると、気持ちのどこかで「一音一音きっちり」とか「一音たりともおろそかにしない」みたいなことを思っているらしく、それが力みにつながり、かつテンポが上がらない原因にもなっているようなのだ。

なので、4つの16分音符(1拍分)をひとまとまりに弾くことと「脱力」を意識することで、結果的にはテンポも上がりミスも減るということが分かってきた。

まぁ「分かってきた」というより「忘れていた」「思い出した」ということなのだが…。「初心忘るべからず!」である…(^^;)。







日本人ピアニスト探索その2:候補者選びの結果 ♪

5月の国内コンサート(ラフォルジュルネ等音楽祭を含む)に出演するピアニストを50人リストアップして、日本人ピアニストの探索第2弾をやってみた。

《日本人ピアニスト:探索候補リスト作成中 ♪》
〈日本人ピアニスト探索2候補者リスト:worksheet〉

とりあえずざっと聴いて、めぼしい候補者を探す「スクリーニング」(予備審査?)みたいなことを終えた。10人くらいは残るかなと思っていたのだが、結果は5人。全体的にも、あまり芳しい状況ではなかった。

残ったのは、三輪郁、近藤嘉宏、高橋悠治、児玉麻里、藤井一興(順不同、下記の絵の順)。高橋悠治、児玉麻里の二人は知っている、藤井一興という名前にも聞き覚えはある。


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50人のうち、YouTube にほぼ音源がないピアニストが30人もいたのには驚いた。日頃接する音楽のかなりの部分がネットになっている時代に、これではいないも同然だ。

音源がアップされているピアニストについても、動画そのものの品質も今ひとつだし、演奏に関しても残念なものが多い。ちょっと探索方法を考えた方がいいかも知れない…。

なお、山口哉(なり)、波田(はだ)紗也歌、堀内龍星という3人はとても若いので「保留」とした。3人とも「スタインウェイ・コンクール in Japan」の大賞受賞者。これからどう伸びるのかまだ不確定。

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下記に、この5人の公式サイトまたはプロフィールへのリンク(→Prof.)と、チェックした音源をあげておく。

各演奏に対する感想は書かないことにする。ざっと聴いただけで、なんとなく「好きか嫌いか」「聴くに値するか」「音楽になっているか」あたりの基準で、ちょっと迷った人もいないではなかったが、最終的には直感的に判断している。


三輪郁 →Prof.

"Iku Miwa plays Mozart" from TV program 1
"Iku Miwa plays Mozart" from TV program 2
Schubert Piano Sonata No.16 D.845-1


近藤嘉宏 →Prof.

Beethoven: "Appassionata" 3rd mov. /Yoshihiro KONDO(1999)
Yoshihiro Kondo plays Frédéric Chopin's Polonaise "Heroique "
Yoshihiro Kondo plays Brahms"Intermezzo in A major, Op.118-2”


高橋悠治 →Prof.

Yuji Takahashi plays Bach Six Partitas
Yuji Takahashi 『花簂』"Hanagatami"
Frederic Rzewski - The People United Will Never Be Defeated!


児玉麻里 →Prof.

Mari Kodama - Beethoven Piano Sonatas
Mari Kodama plays Stenhammar piano concerto in Gothenburg (excerpt)


藤井一興 →Prof.

ドビュッシー&ラヴェル/藤井一興
フォーレ ノクターン 第4番 変ホ長調 Op.36
Kazuoki Fujii - Variations, fugue et envoi sur un thème de Haendel
Kazuoki Fujii - Stefan Le Poète, impressions d'enfance pour piano


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このあと、この5人のピアニストについて一人一人聴いてみようと思っている。音源としては、YouTube と NAXOS Music Library くらいしかないが、近藤嘉宏以外はNAXOSに何枚かCD(室内楽なども含めて)があるようだ。

まぁ、ぼちぼち…と。







LFJ:フランソワ=フレデリック・ギィのベトソナ ♪!?

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一昨日に続いて、昨日のラフォルジュルネでは、フランソワ=フレデリック・ギィ(François-Frédéric Guy)を初めて聴いた。

フランソワ=フレデリック・ギィはこんな風貌(プロフィール)のピアニスト(↓ LFJサイトから引用、写真も)。

ドイツ音楽の名手として知られ、ベートーヴェンの全32曲のピアノ・ソナタと全ピアノ協奏曲(指揮:ジョルダン)を録音している。これまで、サヴァリッシュ、ハイティンク、ハーディング、サロネン、ナガノらと共演。多くの現代作品の初演を任されており、近年はオーケストラの弾き振りにも積極的に取り組んでいる。

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実は、このピアニストの名前を初めて知ったのは、ねもねも舎の次の記事。

✏️フランソワ=フレデリック・ギー、あるいはフランソワ=フレデリック・ギィ

ドイツ音楽(ベートーヴェン)が得意なフランス人というのがちょっと気になっていた。上の記事によると、フランス人のドイツ音楽は日本人にあまり評判がよくないらしいのだ。

それが、ラフォルジュルネでベートーヴェンのソナタだけのプログラムをやるというので、迷いなくチケットを購入した。のだが、やや「期待と不安」という感じではあった。曲は、第2番 イ長調 op.2-2 と第17番 ニ短調 op.31-2「テンペスト」。

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で、結果から言うと「期待と不安」がそのまま「いいなぁ♪」と「う〜m?」になった。というか、前者は私、後者はカミさんの感想。…というように珍しく意見・感想が分かれた。

まぁ、私の中でも諸手を挙げて賛成!という感じではないのだが、分かりやすく意見の相違をまとめてみると…。

「いいなぁ♪」の中身は…。

①音が固まりとして気持ちよく響いて「音楽」が伝わった ♪
②勢いがあるというのか音楽の「ノリ」が気持ち良かった ♪
③グールドのように所々で歌いながら弾くのは面白かった ♪

一方、「う〜m?」の中身は…。

①音が団子になってクリアじゃないところがあった…
②指が回り切れずに破綻しそうな(ニア)ミスも結構あった…
③うなり声のような「歌」はやっぱり邪魔…

まぁ、カミさんの意見「う〜m?」の方も分からないではない。

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①については、音楽の解釈というか、どういうベートーヴェンに仕上げたいのか、表現したいのかということにもよるのだと思う。

ギィさん(なんか「爺さん」みたいで語呂が悪いが…)の音は、ちょっと太めで、まろやかではあるがちゃんと芯はあるという感じ。私はベートーヴェンにはあっていると思った。

ただ、ややペダルが多すぎる感じで、おそらく本人がそういう響き・音質を出そうとしているのだと思うが、全曲をそういう感じでグイグイ来られると、ちょっと疲れるところもある。もう少しメリハリが、とくに緩むところや効果的なノンペダルの箇所があってもいいかも知れない。(ここはカミさんも同じ意見)

余談ではあるが、この辺り、音符の一つ一つが見えずに「音楽」が前面に出てくる演奏と、逆に音符の一つ一つはしっかり弾けているのだが「音楽」が聴こえてこない演奏、みたいなとらえ方もあるかもしれないと思った。(一度考えてみたい…)

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②については、実は私もハラハラしながら聴いていた。ただ「ハラハラ」の内容が私とカミさんでは違っていたようだ。

私は、この気持ち良い「ノリ」(音楽の流れ)が途切れませんように、という感じ。ハラハラしながらも勢いのある音楽を楽しめた。とくに最後、テンペストの最終楽章は聴きなれた曲なのに、活き活きとした音響に新鮮ささえ感じていた。よかった ♪

対してカミさんの方は「元ピアノ科の音大生」の聴き方とでもいうのか、指がもつれるたびにヒヤヒヤしていたようだ。まぁ、私の方はミスに気づくほど曲を熟知していない、というのもあるかもしれない…(^^;)。

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③については、私もない方がいいとは思う。…のだが、グレン・グールドをナマで聴いたことがないので、目の前で(4列目の席で)、実際に歌いながら弾くピアニストを聴くというのは初めての体験だったので、単純に面白がっていただけである…(^^)♪

ギィさんの演奏スタイルは「没入型」かも知れない。演奏が始まると、ほとんど鍵盤とにらめっこをするような姿勢で弾きまくる印象。

座席が右のほうだったので、残念ながら手の動きは見えなかったが、わざとらしい動きは感じられず、全体としては今演奏している作品に真摯に向かい合っている雰囲気を醸し出している。そのあたりは好感が持てる。

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音楽の聴き方・楽しみ方は人によって違っていて当たり前だと思う。どんな音楽・演奏が好きか、あるいは嫌いかというのも人それぞれだ。ただ、自分自身の感じ方には素直でありたいと思うし、自信を持ちたいと思っている。

昨日聴いたフランソワ=フレデリック・ギィのベートーヴェンは、とても面白かったし楽しめた。都合によりマスタークラスを聞けなかったのは残念であるが、今年のラフォルジュルネも行って良かったと思う…(^^)♪