*2017年ぴあのピアノ10大ニュース(2/2)

昨日の記事の続き。このブログから選んだ 2017年の10大ニュースのうち6位から10位を発表! ちなみに1位〜5位はこんな感じ(↓)でした。

1. ラン・ラン腱鞘炎で長期休養…
2. ピリスさん、リタイア…
3. キーシン、結婚・自伝・グラモフォン新CD ♪
4. ショパンの新たな写真発見!
5. もう一つのショパンコンクール開催 ♪



6. エマールさん「エルンスト・フォン・シーメンス音楽賞」受賞


ピエール=ローラン・エマールさんが「音楽のノーベル賞」と言われる「エルンスト・フォン・シーメンス音楽賞」を受賞した、というおめでたいニュースが今年1月に届いた。

「エルンスト・フォン・シーメンス音楽賞」というのは、ドイツの大企業シーメンスの会長だったエルンスト・フォン・シーメンス氏(1903-1990)が、1972年に設立した賞で、「音楽界に著名な貢献をした作曲家、演奏家、または音楽学者」に与えられるもの。

ほとんど聞いたことのない賞なので、あまり実感はないのだが、とりあえずお気に入りピアニストのエマールさんが大きな賞を受賞したということで、素直に喜んだ次第。歴代受賞者などこの賞の概要は下記記事に。

〈エマールさん、おめでとう!♪「音楽のノーベル賞」?受賞〉

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おめでたいと言えば、2月にも、ハンガリーの作曲家・ピアニストであるクルターグ・ジェルジュさんがマールタ夫人とともに "BBT賞"(Borletti-Buitoni Trust award)を受賞するというニュースがあった。

しかも、91歳の誕生日と夫妻の結婚70周年(プラチナ婚?)の日も重なり、三重の喜びということになった(↓)。受賞を伝える内田光子さんの写真もある ♪

〈おめでとう♪クルターグ夫妻:BBT受賞@91歳の誕生日&結婚70周年!〉



7. 天津にジュリアード音楽院


2019年秋に中国の天津にジュリアード音楽院(分校)ができることになっていて、今年はその建物等のデザインが発表された。工事も始まっているようだ。

この話は『ねもねも舎』さんの記事で読んだのだが、その少し前に知ったロシアのゲルギエフが始めた「マリインスキー国際極東音楽祭」が印象に残っていたので、思わず "Japan passing" という言葉を思い出して、こんな記事(↓)を書いた。

〈天津ジュリアード音楽院:文化面でもJapan passing?〉

中国や韓国のピアニストが世界で活躍する中で、だんだんと日本人ピアニストの影が薄くなってきているように思うのは気のせいだろうか?

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8. 国際ピアノコンクール:クライバーンなど


今年もヴァン・クライバーンをはじめ、沢山の国際ピアノコンクールが開催された。ただ、あまり印象に残るピアニストにも遭遇できず、ピアノコンクールを野次馬的?に楽しんでいる私としてはちょっと残念な年になった。

一番注目して見ていたのはやはりクライバーンで、記事も多い(↓)が、ファイナルになってもそれほどワクワク感もなく、最終結果(優勝は韓国の Yekwon Sunwoo )が出たときには記事さえ書いてない…(^^;)。

3/9〈ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクール出場者30人:日本人は深見さん一人…〉
5/21〈今年のクライバーン・コンクールは変わった?…らしい〉
5/26〈ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクール2017始まった ♪〉
5/30〈クライバーン・コンクール、Quarter Final へ20人 ♪〉
6/1〈クライバーン・コンクール、Semifinalist 12人を聴いてみた ♪〉
6/7〈クライバーン・コンクール、ファイナリスト6人 ♪〉

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他にも、私が気がついて記事にしただけでもこんなに(↓)沢山のコンクールがあったのだが、ちょっと気にしようかと思っているのはクララハスキルで優勝した藤田真央くん位かな…?

〈モントリオール国際コンクール〉
〈ルービンシュタイン・コンクール、優勝はシモン・ネーリング〉
〈ヴァンクーヴァー国際音楽コンクール誕生♪(?)〉
〈ブゾーニ国際ピアノコンクール2017は8月22日から ♪〉
〈ビデオ審査だけの国際コンクール?しかもポゴレリッチが審査員長!〉
〈藤田真央くん、クララハスキル国際ピアノコンクール優勝 ♪〉
〈コンクール結果:スコットランド、ミュンヘン、ブラームス〉
〈コクラン国際ピアノコンクール:完全オンライン・年齢制限なし〉
〈リスト国際ピアノコンクール(ユトレヒト)のファイナリスト〉
〈北村朋幹さん2位:ボン・テレコム・ベートーヴェン国際ピアノコンクール〉



9. 2018年の国際ピアノコンクール準備万端


2018年にはいくつかの国際ピアノコンクールが予定されているが、その情報が少しずつ報道されるようになった。個人的にとくに注目しているのはリーズ国際ピアノコンクール。

今回からは、新しい芸術監督に就任したポール・ルイスの出した「新ヴィジョン」に基づいて音楽祭とともに開催される。内容はガラッと変わり medici.tv でのストリーミング配信も予定されている。

1次予選がベルリン、シンガポール、ニューヨークの3カ所で4月に行われ、2次以降が9月にイギリス(リーズなど)で行われることになっている。

先日、1次予選の参加者(DVD審査通過者)68人の発表があり、うち日本人参加者は、Yui Fushiki、Fuko Ishii、Haruka Izawa、Yurika Kimura の4名。半数がアジア勢ということを考えるとちょっと少ないか…?

〈リーズ国際ピアノコンクール2018応募締め切り〉
《2018年リーズ国際ピアノコンクールに日本人4人♪》

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なお国内では、3月に高松国際、11月に浜松国際と、2つのコンクールが予定されている。

〈高松国際ピアノコンクール、過去最多の申込者 ♪〉

〈第10回浜松国際ピアノコンクール概要発表 ♪〉
〈小川典子'新'審査委員長の意気込み:浜松国際ピアノコンクール〉



10. 大阪のシニア頑張る ♪


11月に入ってきた、嬉しいニュース。60代以上と思われる主婦が、大阪国際音楽コンクールで優勝したという話である。

〈シニア頑張る!大阪国際音楽コンクール優勝 ♪〉

私にとっては、コンクールに出るだけでも雲の上の存在なのだが、この話題はなぜか身近に感じられて励まされるニュースだった。元記事は下記。

✏️孫5人の主婦がピアニストに 人生最終コーナーで快挙
 (中野万里子さん 第18回大阪国際音楽コンクールで優勝)


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…ということで、ベスト10、1位から10位まで勝手に選んでみました。来年のピアノ界も、たくさんのめでたい話で楽しませてもらえることを祈りたいと思います…(^^)♪


*2017年ぴあのピアノ10大ニュース(1/2)

今年2017年も振り返ってみれば色んなことがあったピアノ界。そのピアノ界の10大ニュースと言いたいところだが…。

ここでは、このブログでとりあげたニュースなどから、勝手に選ぶ10大ニュースをあげてみたいと思う。今日はそのうちの5つ。


1. ラン・ラン腱鞘炎で長期休養…


まずはラン・ランの腱鞘炎。はじめは4月の右手故障のニュース。そのときは、7月には復帰の予定だったので、ちょっと前のインフルエンザに続いて災難だな〜位に思っていた。

〈ラン・ランが腱鞘炎!?…インフルエンザの次は…〉

そうしたら、その後次々にコンサートのキャンセルなどのニュースが続き、結局は来年の春くらいまでは無理なようで、秋の来日や真鍋大度氏との「スペシャル・プロジェクト」も中止(延期?)になってしまった。

〈ラン・ランvsマルカンドレ・アムラン?〉
〈ラン・ラン、来日中止!大丈夫なのか?〉

それにしても、今年は故障者が多かったような気がする。ケイト・リウ、ティル・フェルナー、ジャン=クロード・ペヌティエ、…。

〈最近多い?ピアニストの故障:来日ピアニスト・チェック〉

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そう言えば、最近ツィンメルマンが調子が悪くて、キリル・ゲルシュテインが代役を務めたというニュースがあった。詳しいことは不明だが大丈夫だろうか?

✏️SICKLIST: LSO SWITCHES ANXIETY PIANIST



2. ピリスさん、リタイア…


この項は「ピリスさん、来年リタイア?」というタイトルで原稿を書きかけていたのだが、残念なことに、急遽この12月で引退ということになった。

「今夜で引退します」というニュースが飛び込んできてびっくりしたのが12月21日。で、翌日に《ピリスさん、昨日で引退…》という記事を書いた。

一度は生で聴きたいと思っていたピアニストの一人なので、本当に残念だ。

他にも「一度は生で聴きたいピアニスト」というのが何人かいるが、コンサートは年齢の高い方から優先的に聴いていく、という選び方をした方がいいのかもしれない…(^^;)。

アルゲリッチ76歳、バレンボイム75歳、エリソ・ヴィルサラーゼ75歳、エリザーベト・レオンスカヤ72歳、…。こうやって並べると、67歳のソコロフは若手とは言えないが「中堅」あたりに見えてこないこともない。

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3. キーシン、結婚・自伝・グラモフォン新CD ♪


エフゲニー・キーシン(46歳)にとって、今年は忘れられない年になったのではないだろうか?

幼馴染みとめでたく結ばれたのが今年の3月、それと前後して何とこの若さで自伝を出版、そして6月には突然グラモフォンと契約して、8月にはドイツ・グラモフォンの創立120年周年企画「ピアノ・マスターズ・シリーズ」の第1弾としてCD『ベートーヴェン・リサイタル ~《月光》《熱情》《告別》他』をリリース。

私のブログでも〈キーシンのグラモフォン移籍第1弾が8月にリリース♪「ピアノ・マスターズ・シリーズ」のトップ!〉などの記事を書いているが、『ねもねも舎』さんの方に分かりやすい記事が出ているのでご紹介しておく(↓)。

✏️エフゲニー・キーシン、結婚す。
✏️キーシンがドイツ・グラモフォンと契約
✏️エフゲニー・キーシン自伝、読了(2回読んだ)


ご参考までに、自伝とCDも…。

『エフゲニー・キーシン自伝』



ベートーヴェン・リサイタル ~《月光》《熱情》《告別》他




4. ショパンの新たな写真発見!


1847年ごろに撮られたと思われるショパンの写真が新たに発見された。この写真を発見したのは Dr. Alain Kohler というスイスの物理学者でショパンの熱狂的ファンらしい。この学者さん、2015年にはショパンが使っていたプレイエルのピアノも発見したとのこと。

〈ショパンの写真、新たに発見!〉

元の記事は下記。写真もこの記事からお借りした。

✏️SWISS PHYSICIST FINDS NEW CHOPIN PHOTOGRAPH

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5. もう一つのショパンコンクール開催 ♪


ショパンつながりでもう一つ。来年2018年にショパンコンクールが開催されるのをご存知だろうか?

前回、第17回ショパン国際ピアノコンクールが開催されたのが2015年(1位 チョ・ソンジン、2位 シャルル・リシャール=アムラン、3位ケイト・リウ)。ショパンコンクールは5年おきに開催されるので第18回は2020年。

…なのだが、実はショパン・インスティチュートは「ピリオド楽器による国際ショパンコンクール」(International Chopin Competition on period instruments)というものを、ポーランド独立100周年に当たる来年に(から?)開催すると発表したのだ。

「ピリオド楽器」というのはフォルテピアノのような「古楽器」である。その楽器はショパン・インスティチュートが期間中貸し出すことになっている。

開催は来年の9月。その概要は次の記事に簡単にまとめてある。

〈2018年に第1回ショパンコンクール開催!但しピリオド楽器 ♪〉

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以上がベスト10の1位から5位。6位〜10位は近日中(明日?)に…。



*近況:今年はこれで満足!? 次の候補曲も見つけたし♪

今年もあと1週間となり、たぶん今年最後の近況報告。

で、年末に向けピアノの練習も佳境に入っている…と言いたいところだが、シューベルト(ソナタ18番第1楽章)はなかなか進展がなく、年内に仕上がりそうもない…。

ちょっとだけいい話としては、バイエルを使った「手元を見ないで弾く」練習が少しは効果がありそうなこと、くらい…。それと、普通に進んでいるのが次の選曲(バッハのパルティータ)で、ほぼ決まってきた。

シューベルトは、この後は基本的には楽しんで弾くモードに入ろうと思っている。少々ミスしてもちょっと止まってもいいことにして、少しでも自分のイメージした音になること、そして気持ちよく弾けることを主眼にしていきたい。

もう少し何とかしたいと思っているのは、第2主題とその変奏部分(↓)。ここは好きな箇所なのだが、左手の付点の伴奏が思ったような音量・タッチで弾けなくて苦戦している。

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このソナタは私にあっているのか、3ヶ月近く続けているのにほとんど飽きない。それだけ、次々に課題が出てきて苦労しているからかもしれないが…(^^;)。

まぁ、年内は気楽に楽しみたいと思う ♪

バイエルの方は、全部で106番まである(付録を除いて)うちの80番まできた。年内に終わるつもりだったが、難易度も少し上がってきたので、ちょっと厳しそうだ。

手元を見ないで、初見で弾いて、基本的にはミスせず止まらず弾く、という練習をしている。…のだが、少し前から音が大きく跳ぶところなども出てきたので、その部分だけは一瞬鍵盤をみてやっている。それと、ニアミス程度のちょっとしたミスは大目に見るようにしている…かも…(^^;)。


やってみて感じたことは、最初のうちは「思ったより簡単に弾けるじゃん ♪」(まぁ当たり前かも…)、このところは「バイエル、意外とムズイかも…」という感じ。でも、自分の弱点を発見&確認できたりして、それなりに面白い、というか役に立つ感覚はある。

その効果は、バッハのパルティータの試し弾きをしていて感じることができた。初見で弾いていて、楽譜をずっと見ているわけだが、「手元を見ないで弾ける」部分が以前にくらべて明らかに多いのだ。これは嬉しかった ♪

なので、途中放棄?することなく、年を越しても最後まで続けようと思っている。

そして、次の曲選びであるが、バッハのパルティータを全曲一通り試し弾きをしてみて、いくつかの曲に絞り込むところまできた。

やはり、私にはかなり難易度が高すぎて、候補曲はそれほどなかった。第一感のレベルではあるが、こんな結果(↓)だ。◯は何とか弾けそう、△は頑張れば何とかなるかも…。

第1番
 ◯→Menuet I、Menuet II
 △→Allemande、Sarabande
第2番
 ◯→Sarabande
 △→Allemande
第4番
 ◯→Allemande、Aria 、Sarabande

第3・5・6番には弾けそうな曲はなかった。

で、今のところ、曲としても気に入った第4番の3曲から選ぼうと考えている。曲の長さも考えて Sarabande あたりがいいかな?というのが現時点の感触。

まぁ、もう少し弾いてみて、プロ(シフとかソコロフとか…)の演奏も聴いてみて、年内には決めたいと思っている。


さぁ、あと1週間、頑張ろう(楽しもう)!♪


お知らせ:2018年から『ぴあのピアノ♪』に引越しますので、よろしくお願いします。すでに運用を開始していて、年内は同じ記事を両方に出すつもりです。

*2017年:ピアノに関する本ベスト5

今年もあと1週間ほど。そろそろ1年の振り返りをしたいと思う。今日は、今年読んだ本の中からベスト5のご紹介。このところ、あまり読んでないので「ベスト10」は無理そうだ…(^^;)。


1. 『マルタアルゲリッチ 子供と魔法』


面白すぎて一気に読んでしまった本である。


(音楽之友社、2011年、オリヴィエ・ベラミー著、藤本優子訳)

波乱万丈のアルゲリッチの半生記(2009年まで)であるが、感想文〈アルゲリッチの本、一気読み! ♪〉にも書いたように、簡単には紹介できないほど盛りだくさんの内容が語られている。感想文から少し引用すると…。

「本人の生い立ちや生き様から家族模様、ピアニストとしての興味の尽きないエピソードの数々、なぜあのように弾けるのかという謎を解き明かすヒントになりそうなこと、登場する『キラ星』のような多くの音楽家たち、彼らとの関わり方、などなど…」

…という感じの本である。

一つだけ、アルゲリッチのあの素晴らしい奏法の秘密を感じさせるスカラムッツァ先生の言葉をご紹介しておく。

「一つの音の成立には三つの段階がある…。まず筋肉を弛める。その状態から瞬間的に指先の肉を通じて重さが伝わる。次に跳ね返り(バウンド)。屈筋の収縮を受けながら弾んでくる。最後が動きの中断による休み。」

アルゲリッチのファンには必読の書と言ってもいいかもしれない。


2. 『楽譜を読むチカラ』


チェロ奏者ゲルハルト・マンテルという人の書いた本であるが、ピアノにも関係することや参考になることがたくさんあり、ピアニストとは視点が異なるだけに結構面白かった。


(音楽之友社、2011年、ゲルハルト・マンテル著、久保田慶一訳)

色々と参考になることがあったので、感想記事を3本も書いている。

〈『楽譜を読むチカラ』チェロ奏者からピアノ練習のヒント ♪〉
〈『楽譜を読むチカラ』からピアノ練習のヒント♪その2〉
〈『楽譜を読むチカラ』から「いい演奏」のヒント ♪〉

このブログの前身『ぴあの研究ノート』というタイトルのときに、抜き書きメモも作っている。相当気に入っていたようだ。

《「楽譜を読むチカラ」読書メモ1》
《「楽譜を読むチカラ」読書メモ2》
《「楽譜を読むチカラ」読書メモ3》
《「楽譜を読むチカラ」読書メモ4》
《「楽譜を読むチカラ」読書メモ5》

で、内容紹介であるが、ピアニストの今井顕氏による『書評』がとても分かりやすいので、そちらにお任せしたい…(^^;)…が、その中からちょっとだけ引用しておく。

「久保田のアレンジによってピアノの譜例もたくさん盛り込まれ、ピアニストにも魅力的な本として仕上がった」

「私がこの本を手に取ったときまず思ったのは『これはすばらしい、自分の授業で使いたい』ということだった」


3. 『ピアノ奏法―音楽を表現する喜び』


少し古い本であるが、ピアノの練習を考えるときにとても役に立つ。私の座右の書 ♪


(春秋社、1998年、井上直幸著)

ピアノ奏法に関して、技術的なことを丁寧に説明してある本である。その説明も分かりやすくてありがたいのだが、そのベースにある考え方にとても共感した。

第1章から「良い演奏とは?」というタイトルで始まることも、我が意を得たり!という感じだったのだが、その中に書いてある「『ピアノを弾くことが楽しい』と感じられるようになること」 という部分を読んだときには本当に嬉しかった。

私のような「下手の横好き」でもピアノを練習する意味があるのだと思えるメッセージだと感じられたからである…(^^)♪

技術的な内容の紹介は私の手には余るので、本書を読んでいただくしかないのだが、一応感想文を書いてあるので(↓)ご参考まで…。

〈井上直幸氏の『ピアノ奏法』いい!座右の書にしよう♪〉


4. 『バイエルの謎: 日本文化になったピアノ教則本』


ピアノ教則本「バイエル」の話なのだが、私の感想は「良質なミステリー小説」のような謎解きの面白さ!であった。


(音楽之友社、2012年、安田寛著)

この本の出発点は、日本文化に根付いた「バイエル」のことが実はほとんど分かっていない、という不可解な状況にあった。なぜ「バイエル」だったのか、誰が日本に持って来たのか、日本に伝わって以来140年近く使われてきたのはなぜか、初版本は残っているのか、そもそもフェルディナント・バイエルとは実在の人物か?などなど…。

これらの謎に挑んだ著者の波乱に満ちた探索の記録が、読者をどんどん引き込む魅力的な物語として展開されていく。なぜ急に「バイエルは古い」「日本以外では使われていない」ということになったか、という理由を探っていくあたりは実に興味深い。

もちろん、音楽的な観点からの、例えば「初版本」の成り立ちや、教則本としての構成などについても解き明かされる。「静かにした手」("Die stillstehende Hand"=ポジション移動・指の交差のない運指)などの意義についてはなるほどと思った。

その他、面白いと思ったトピックスのいくつかは私の感想文〈『バイエルの謎』面白い!最高のミステリー ♪〉に書いた。

下記はこの本からお借りした「バイエル」初版本の表紙。

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5. 『蜜蜂と遠雷』


あまりに有名なので、ご紹介の必要もないかも知れないが…。


(幻冬舎、2016年、恩田陸著)

一応書いておくと、この小説は浜松国際ピアノコンクールをモデルにしており、コンクールに参加するピアニストの様々な物語を描いたもので、第156回直木賞(2017.1.19)、2017年本屋大賞(2017.4.11)を受賞している。

私自身、2015年の浜松国際ピアノコンクールをネット配信で楽しませてもらったので、この小説もとても興味深く、面白く読んだ。下記は、ピアノ音楽の視点から書いた私の感想文、ご参考まで…。

〈『蜜蜂と遠雷』風変わりな感想文?〉



以上、個人的な「ベスト5」でした。そのほかに今年読んだ本の一覧表は下記記事(感想文などの記事へのリンク付き)にまとめてあるので、興味のある方はどうぞ…(^^)♪

《ピアノの本棚 2017》


お知らせ:2018年から『ぴあのピアノ♪』に引越しますので、よろしくお願いします。すでに運用を開始していて、年内は同じ記事を両方に出すつもりです。


ピリスさん、昨日で引退…

残念なニュースが飛び込んできた。

ピリスさん(マリア・ジョアン・ピリス)が、昨日12月21日のコンサートを最後に引退することになったようだ。2018年の予定をすべてキャンセルしたとのこと。

✏️TONIGHT, A GREAT PIANIST SAYS GOODBYE


ピリスさんは6年ほど前から調子が思わしくなく、今年10月には、来年の夏くらいには「ツアーやリサイタルから引退する」と宣言していたのだが…。

〈ピリスさん、2018年中にリタイア?〉

まぁ、よほど具合がよくないのかも知れない。

ピリスさんは私がピアノを始めた頃からのお気に入りピアニストで、YouTube の演奏を何度も「お手本」にさせていただいたりしていたので、とても残念だ…。

〈お気に入りピアニスト:Maria Joao Pires(ピリス)〉

本人の生の演奏(リサイタル)を聴くことができなかったことが、本当に悔やまれる。イヤホンを通してでさえ、あれだけ美しいピアノの音を聴かせてくれるのだから、生の演奏はどれほどのものなのか…?


ピリスさんの最後の公開演奏は、ベルナルド・ハイティンク指揮、チューリッヒ・トーンハレ管弦楽団との共演で、モーツァルトのピアノ協奏曲第27番 K.595 だったそうだ。
Tonhalle-Orchester Zürich サイトから)

ピリスさんは73歳。引退後もお元気で ♪
ありがとうございました。

お知らせ:2018年から『ぴあのピアノ♪』に引越しますので、よろしくお願いします。すでに運用を開始していて、年内は同じ記事を両方に出すつもりです。

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