ピアノの本棚2015 ♪

PianoHondana.png 2015年に読んだ本
 2013 2014 2016

2015年:ピアノに関する本、今年のベスト10♪
:お薦め、→:関連記事
『西村朗と吉松隆の クラシック大作曲家診断』

音楽の歴史観・進化論?
✍️読書ノート
『作曲は鳥のごとく』

本「作曲は鳥のごとく」:現代音楽からの決別
『光の雅歌―西村朗の音楽』

✍️読書ノート
『どこまでがドビュッシー?―楽譜の向こう側』

「新即物主義」v.s.「19世紀ロマンティシズム」
「どこまでがドビュッシー?」を読んで
『作曲家から見たピアノ進化論』

ピアノに未来はあるか?
未来へ開かれているバッハの音楽
作曲家がつけた演奏記号いろいろ
現代ピアノ奏法
『ピアニストの系譜: その血脈を追う』

ピアニストの系譜=師弟関係、知ってますか?
✍️読書ノート
『作曲家 人と作品 シューベルト』

シューベルトのピアノの弾き方
『作曲家別演奏法 2 モーツァルト』
『作曲家別演奏法』

「作曲家別演奏法」:シューベルト、シューマン、ショパン等
『シャンドール ピアノ教本―身体・音・表現』

ピアノ練習方法の革新?
間違いだらけのピアノ練習法?
ピアノの基本動作練習:回転
✍️読書ノート
『之を楽しむ者に如かず』

読書始め、懐かしの吉田秀和さん
吉田秀和さんお薦め ♪ ピアノ関係の本
✍️読書ノート
『意味がなければスイングはない』

村上春樹が語るシューベルトのピアノ・ソナタ
『大人だってピアニストに!!』

(大人の)ピアノ学習の目的?
中高年の能力はどのくらい?
中高年のピアノの可能性 ♪
『ピアニストはおもしろい』

「ピアニストはおもしろい」は面白かった ♪
仲道郁代が語るドビュッシー
仲道郁代が語るシューマン
『作曲家がゆく 西村朗対話集』

日本の現代作曲家たち:本『作曲家がゆく』
『ピアニストの時間』
『グレン・グールド 孤高のコンサート・ピアニスト』

グールドの本、よもやま話
『音楽のために』

音楽コンクールほど馬鹿げたものはない
ドビュッシーの追求した音楽

※Amazon「インスタントストア」終了(2017.10.27)に伴い内容をこちらに移動


モーツァルト:ピアノソナタK.570第2楽章アナリーゼ?

モーツァルトのピアノソナタ第17番 K.570、第2楽章の練習を開始した。ひと通り弾いてみて、指使いを順次決めている段階であるが、曲全体を見通すために、構造の分析(アナリーゼ)をやってみた。

この曲はあまりメジャーではないらしく、参考になる記事など探したが見つからなかった。情報としては「ロンド形式」であることだけである。なので、以下の「分析」はまったくの我流である。楽曲分析というよりは、練習のためのブロック分けとでも言った方がよいかもしれない。

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この曲は全体にわたって4小節ずつの短いフレーズで構成されている。最初の4小節がメインテーマで、それが何度か繰り返される中に、いくつかのサブテーマが挿入されていく。

ロンド形式なので、その4小節ごとに構成されるというとらえ方(下図の①②①③…等)もあるのだろうが、それではちょっと細かくなりすぎるので、もう少し大きく区切ってみた。

それが、図の左端の欄にある「A-B-a-C-a-D」という区切りである。a=①がメインテーマ、Dは coda に当たると考えられる。

B 部分は「ズン・チャ・チャ・チャ」という伴奏パターンが基調になっており、C 部分はアルベルティ・バスの伴奏が基調になっている。それぞれの最後(⑤と⑧)は経過句的なフレーズになっている。


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①〜⑩のそれぞれは、比較的やさしい短い練習曲と思って練習すればいいのではないかと思っている。どれもなかなか魅力的な旋律や音型になっていると思う。なので、暗譜してしまえば、弾くだけはそれほど苦労しないのかな?というのが今の感触である。

ただ、難しいのは、全体をまとまりのある曲として、どう構築していくかというあたりになりそうだ。フレーズとフレーズをどうつなぐのか、大きな流れとしてどこに山を持っていくのか、どう盛り上げるのか、そして収めるのか…。

とりあえずは「お手本」の演奏を聴いて参考にしようかというところだが、最後はやはり自分の感じ方や気持ちと音楽(演奏)をできるだけ合わせていきたいと思う。まぁ、それは少し先のことではあるが…(^^) ♪


【関連記事】
《モーツァルト:ピアノソナタK.570第1楽章アナリーゼ?》
《近況:モーツァルトのソナタK.570第2楽章の譜読みを開始》







ゲルギエフ、16歳のピアニスト George Harliono を抜擢 !?

マリインスキー歌劇場管弦楽団の首席指揮者兼音楽監督であるワレリー・ゲルギエフが、16歳という若いピアニストを「抜擢」したらしい。

英語の記事(↓)では "select ... for performance of a lifetime" とか "recruit" とかいった表現になっており、詳細は不明だが、今後もずっと…という印象を与える表現になっている。

✏️TOP RUSSIAN CONDUCTOR SELECTS 16 YEAR OLD HACKNEY-BORN PIANIST FOR PERFORMANCE OF A LIFETIME

✏️VALERY GERGIEV RECRUITS A BRITISH KID, 16


とりあえずは、8月5日にゲルギエフ指揮マリインスキー歌劇場管弦楽団でラフマニノフのピアノ協奏曲第2番を弾くことになっている。

これは、7月15日から8月13日までウラジオストックで開催されている "II International Mariinsky Far East Festival in Vladivostok"(第2回マリインスキー国際極東音楽祭)の中で2日間にわたって行われるラフマニノフ特集?("RACHMANINOFF CYCLE")の1曲である。

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で、注目の若いピアニストというのはロンドンの近くのハックニー(Hackney)生まれの16歳、George Harliono。読み方は分からないが、たぶん「ジョージ・ハリオーノ」?

詳細は本人サイト "george piano world" (下の写真もここから借用)を見て戴いた方が早いと思うが、ウラディーミル/ヴォフカ・アシュケナージ父子にも師事しているようだ。

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実はこのジョージくん、2016年にデニス・マツーエフが始めた「第1回グランド・ピアノ・コンペティション」(対象:11〜16歳)の入賞者の一人だ。

ちなみにこのときは、日本の奥井紫麻(しお)ちゃんも入賞している。

《グランド・ピアノ・コンペティション!?》
《GPC:マツーエフのプロコ協奏曲第2番よかった♪!》

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ところで、この「マリインスキー国際極東音楽祭」であるが、これはゲルギエフによれば「アジア太平洋諸国を音楽で一つにする」もので、「アジア太平洋地域の国が、真の文化協力を確立する」ことを目的に創設されたものとのこと。オペラやバレエが主な出し物となる音楽祭のようだ。

メインホールとなるのは、マリインスキー劇場が2016年に傘下に収めた「マリンスキー・沿海州劇場」(旧プリモリスキ劇場)となる。(以上出典:マリインスキー劇場「第1回マリインスキー国際極東音楽祭」開催決定!

で、その第1回に出演した主なピアニストは、チャイコフスキー・コンクール1位のドミトリー・マスレーエフ、ショパン・コンクール1位のチョ・ソンジン、クライバーン・コンクール2位のソン・ヨルムなど。日本からは、松田華音と「グランド・ピアノ・コンペティション」入賞者の一人として奥井紫麻ちゃん。

今年の第2回のピアニストとしては、セルゲイ・ババヤン、辻井伸行、松田華音などの名前が見える。

なお、ロシア旅行のサイトで、「ラフマニノフ・サイクル」のピアニストが「デニス・マツーエフ」となっていたりするのだが、もしもマツーエフの代わりとしてジョージ・ハリオーノくんが選ばれたとすれば、これはすごいことかも知れない…(^^) ♪







近況:モーツァルトのソナタK.570第2楽章の譜読みを開始

モーツァルトのピアノソナタ第17番 K.570 の第1楽章、練習を始めて3週間になるが、進み具合は今ひとつ…。左手小指のプチ腱鞘炎?の後遺症?みたいな感じが残っていて、何となく思い切って打鍵できない。…という原因もあるが、それより、やはりモーツァルトは私にとって難しいのだと思う。

第1楽章は、私にとって「基本練習」みたいなところもあるので、地道に時間がかかりそうだ。なので、これは継続しながら、第2楽章の譜読みを開始することにした。

ほんの1週間前の《近況:改めて基礎が大事なことを痛感して…》で、第1楽章に集中することにした、と書いたばかりではあるが…。まぁ、この1週間「集中」して、次の段階に進むことができたと思うことにしよう…(^^;)。

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第1楽章の進み具合を確認してみると…。

全体を通して、90%程度は「暗譜」をして、ほぼ楽譜を見ないで練習できるまでにはなっている。でも、まだまだ弾けてないところも多く、指の運びが馴染んでいないというか、迷い箸?みたいなところが多々ある…(^^;)。

なので、単旋律のそれほど難しいと思われない箇所でさえ、なかなか満足できる状態には届いていない。例えば、恥ずかしながら…、下記のような場所でさえすんなりとは弾けていない。まぁ、だから「曲の中で基本練習をする」意味があると自分に言い聞かせながらの「忍耐の練習」である。

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それから、当初はある程度のテンポで弾けるように、例えば16音符の速いパッセージを頑張って速く弾こうと練習していたのだが、このところ「ラクに弾く」がまったくできてないような気がしているので、むしろゆっくりと「弾き方」を確認しながら練習するようにやり方を変えようと思っている。

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で、第2楽章の方であるが、こちらは Adagio のロンド形式なので、わりとパターンがはっきりしていて取り組みやすい。しかもその一つ一つがピアノ教本のような基本的な音型(アルベルティ・バスとか…)が多いのも「曲の中で基本練習をする」私には嬉しい。

聴く音楽としても好きなタイプの曲なので、弾いていてけっこう楽しい。第2楽章から仕上げていくというアプローチもあるかもしれない。ちなみに、出だしはこんな感じ(↓)。

Mo570-2-1.png

それにしても、第1楽章といい第2楽章といい、本当にシンプルな材料を使ってこれだけの作品を創り上げるのだから、やはりモーツァルトはすごい!天才だと思う。いまさら何を!ですが…(^^;)。

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第2楽章は「進捗」というほど進んではいないが、とりあえずざっと弾いてみて、指使いを考えている段階である。

とくに難しい指使いがあるようには見えないが、逆にどうにでも弾ける部分は弾くたびに指が変わったりして、それはあまり好ましくない。なので、出来るだけ早く確定して、それを指に覚えさせるということに時間をかけたいと思っている。

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当面は、第2楽章の「指使い確定」と、第1楽章の「指に覚えさせる」という練習を、半分半分くらいでやってみようと考えている。技術的な目標としては「ラクに弾く」ことを目指したい。

期間として「いつまでに」という期限を、今回は決めていない。もう少し様子を見てから決めたいと思う。

《「ホールでスタインウェイ♪」の反省:次へとつなげるために…》に書いたように、「今よりも仕上がりレベルを上げたい」と思っている。時間は少し長くかかってもいいので、「ステージ上のスタインウェイで気持ちよく弾く」ことが出来るくらいの仕上がりをどうすれば達成できるのか、ということをちょっと真面目に考えたいと思う。

さてさて、この暑い夏が収まる頃には、少しは先は見えているのだろうか…(^^)?







小川典子'新'審査委員長の意気込み:浜松国際ピアノコンクール

NIKKEI STYLE の隠れた?音楽コーナーに浜松国際ピアノコンクールの新しい審査委員長、小川典子さんのインタビュー記事(↓)が載っていた。

✏️小川典子さん「浜松国際から世界に直接ピアニストを」

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それによると、浜松国際ピアノコンクールの新しい目標は「浜松から世界のひのき舞台へ直接ピアニストを送り込む」ことだそうだ。

つまり、これまでは「浜松の後にショパン国際やチャイコフスキー国際に行って優秀な成績を収めてくれること」で喜んでいた。簡単に言えば三大コンクールへの "springboard"(踏み台)というか、練習ラウンド?みたいなもの、ということだろう。

で、これからは「もう一歩先へ進んで、浜松から直接、仕事のできるピアニストを」生み出したい、ということのようだ。

何気なく読むと「そうか…」と思いそうなのだが、これって言い換えると「三大コンクール」(チャイコフスキー、ショパン、エリザベート)と肩を並べたいという、けっこう壮大かつ大胆な目標にも見える。

でも「三大」の一つであるエリザベートでさえ、少なくとも2016年はパッとしなかったし、「五大コンクール」に入るだろうリーズもロンティボーも相当苦戦中(↓)である。浜松、ホンキなの?と思ってしまう…。

《リーズ国際ピアノコンクール、復活なるか?ー新ヴィジョン発表!》
《ロンティボー国際コンクール、1年延期!》

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一方で「浜松国際はすでに成熟しているコンクール」という認識のようで、大きな変革はないようだ。個人的な感想としては、「成熟」が「行き詰まり」でなければよいのだが…。

小川さんの「英国でのネットワーク」を使って、入賞者への「ご褒美として付いてくる演奏会」を充実させたい、というのが一番の目玉?らしい…。

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「国際的に活躍できるピアニストの条件とは?」という質問に対して…。

体力」というのは当然なのだろうが、その次に「自分がどのくらいできるかが分かっている」とあったのがちょっと面白いと思った。「己を知る」ということなのだろうが、いろんなピアニストの言動を見て(ネットから垣間見て)いると、そうじゃない人もけっこう見受けられるような気がする…。

もう一つ、「自分の意見を持って個性を打ち出せるピアニストを探している」とも仰っているが、逆に言うとそういうピアニストがなかなかいないということなのかも…?

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小川さん自身、ピアニストとしての立場からの発言もある。

自分ではドビュッシーや武満徹の作品がいちばん得意な感じがある」「でも最近は、ピアノの楽器としての発展と作曲家が訴えたい気持ちの強さを考慮すると、やはりピアニストはベートーベンからシューベルト、シューマン、ブラームスあたりまでの作品に戻っていくものだと感じ始めている。

…このあたり、あまり共感はできないが、そういう感じ方もあるんだ…と思った。確かに、ピアノ音楽の全盛期は18〜19世紀の200年ほどというとらえ方もあると思うが、個人的にはこれからも発展していくものだと信じたい。

それから、元理工系として興味深かったのは、小川さんが専属契約しているBIS社(スウェーデン)でのレコーディングの話。

BIS社が使っているマイクは性能が非常に良く、すごく広いダイナミックレンジ(強弱の幅)を要求される」、そのため「弱い音を出す勉強をすることができた」そうだ。録音技術の向上がピアノ奏法に影響を与えることもある、ということかナ?

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おまけ。ところで、この記事が掲載された「NIKKEI STYLE の隠れた?音楽コーナー」であるが、実は NIKKEI STYLE のなかの「エンタメ!」というコーナーの中のサブジャンル?である「ビジュアル音楽堂」というところだ。実に奥まった所にあってなかなか見つからない…(^^;)。

いまさらながら、日本での「音楽」(とくにクラシック音楽)の地位の低さ(メディアでの取り扱いのマイナーさ)に驚嘆してしまう。英語の記事を見ていると、例えば The Guardian などはかなり中身のある記事を載せていたりするのだが…。

音楽記者とか投稿者のレベルの問題かもしれないし、メディアの態度かもしれないし、読者側(世間)の状況を反映しているだけかもしれないが、残念なことだ…。

記事もかなり「ドメスティック」に偏っており、読みたい記事も多くはない。例えば、これまでの記事に登場したピアニスト(鍵盤奏者)の名前を並べるとこんな感じ(↓)だ。

上野優子、福原彰美、花房晴美、伊藤恵、瀬川裕美子、山口友由実、河村尚子、進藤麻美、横山幸雄、高田泰治、大嶺未来、クルティシェフ、小倉貴久子、鈴木雅明、アリス=紗良・オット、アルゲリッチ、小曽根真、小林愛実、田部京子、小菅優

これは、日経を読んでいる層の趣味を反映しているのか?、個人的には「なんだかな〜」という気がするが…(^^;)。(補足:私自身は現役時代から日経を読んでますが、この「趣味」はちょっと違う気がします…)