初見視奏に必要な能力・知識・蓄積 ♪

12月の目標として「楽譜を見ながら弾く」ことをあげていたが、そのための「初見練習」をするうちに、実は目標とすべきは「手元を見ないで弾く」ことであって、それは実は「ピアノを弾く」ことの基礎である大事なことだというのが分かってきた。恥ずかしながら、5年間近く気づかなかった…(^^;)。

さらに、「手元を見ないで弾く」ことの練習として「初見練習」は必ずしも最適な方法でないことも何となく感じてきた。なので、今はもう少し基本的なところからの練習をしているところである。→《「手元を見ないで弾く」練習方法と「初見」練習の関係 ♪》

pia small.png

ところで、いろいろ調べているうちに「初見」(正しくは「初見視奏」というらしい…)の上達のためにはいろんな能力や知識や経験(慣れ・訓練)が必要だというのが、おぼろげながら分かってきた。

今回は「初見視奏」そのものの練習に取り組む余裕はないのだが、今後のために簡単にまとめておこうと思う。その前に、私自身がとんでもない誤解をしていたことを3点ほど…。

①弾き始める前に楽譜を一通り見ること
②テンポどおりに弾くこと
③間違っても止まらないこと

①は「初見」というくらいだから、まったく見たことのない楽譜を見てすぐに弾き始めなくては…と思っていたのだが、まず楽譜を見て簡単な「楽曲分析」のようなことをやって(必要なら書き込みもして)から弾くのが普通らしい…と初めて知った…(^^;)。音大の試験なんかでも弾き始める前に5分程度の時間があるようだ。

②と③は言われてみれば当たり前なのだが、私の場合「初見」というと選曲のための「試し弾き」がほとんどなので、弾けるテンポで、間違ったら弾き直すというのを当然のようにやっていた訳だ…。

pia small.png

さて「初見視奏」に必要なことを、あちこちから寄せ集めて一つの絵にしてみた(↓)。

shoken.png

参考にしたのは、主に下記の記事。

✏️初見視奏の得手・不得手を分ける鍵とは?
✏️上達のヒント 初見で弾こう

pia small.png

まずは、楽譜を正しく読み取る「読譜力」が必要なわけだが、ソルフェージュのような「能力」はもちろん、ピアノ音楽に関するいろんな「知識」も必要なのは当然だろう。

「読譜力」のところに「(慣れ)」と書いたのは、ピアノ曲によく出てくる左手伴奏やアルペジオなどのパターンや「音楽語法」というのか、そういったものの「蓄積」が重要だというようなことを『ピアニストの脳を科学する: 超絶技巧のメカニズム』という本で読んだことがあるからだ。

《読書メモ:ピアニストの脳を科学する》にこういうこと(↓)をメモしている。「音を聴くだけで」は「楽譜を見るだけで」もあったと思う。

「ピアニストはピアノの音を聴くだけで、指を動かす神経細胞が活動する
 ・音に身体が反応する回路、指の動き(や視覚)によって音が想起される回路がある
 ・これまでに弾いた・聴いたパターンの蓄積が効いている」



「まとめて見る・覚える」は、音符をかたまり(チャンク)として捉える音楽的な能力と、どのくらい先を見ることができるかという身体的能力(情報処理スピード、周辺視、短期記憶など)が関係しているようだ。弾いている所と見ている所の幅を「アイ・ハンド・スパン eye-hand span(視手範囲)」と言うらしい。

「手元を見ないで弾く」は、現在「練習&研究」中であるが、基本的には鍵盤の位置関係や音のパターンをどれだけ指が感覚的に覚えているか、が重要な気がしている。また、ここでも「周辺視」という視野の端っこで何となく見えているものを利用することも大事だと思われる。

あとは基本的なこととして、「見る、理解する、弾く、聴く」を同時並行で行う能力が必要なことは言うまでもない。同時通訳者が「聞く、理解する、翻訳する、話す」を同時並行で行うのと似ているかも知れない。

そして個人的に一番気になるのが「処理スピード」。

結局のところ、楽譜を見て理解して、それを指の動きに伝えてピアノを弾く…というのは神経回路や運動神経の働きである。上に書いた「慣れ」(蓄積)というのも大事だと思うのだが、一方で頭や指の「回転スピード」が必要になってくると実感している。実感しているのはその「遅さ」なのだが、歳のせいにはしたくない…(^^;)。

pia small.png

おまけ。参考記事「初見視奏の得手・不得手を分ける鍵とは?」の筆者、安達真由美先生は『演奏を支える心と科学』という本の監訳者と書いてあったので、見てみたら表紙(↓)に見覚えがあった。どうも以前読んだことがあるようだ。内容はあまり覚えてない…(^^;)。

《ピアノの本ベスト5:②理論・科学》









バレンボイムの新CDはドビュッシーのソロ・アルバム!?

ピアノ関連のニュースをチェックしていて、ちょっと興味のあるCDを見つけた。それは、ダニエル・バレンボイムの弾くドビュッシーのソロ・アルバム ♪

ピアニストとしてよりも指揮者としての活躍が目立つ最近のバレンボイム。なんだか大巨匠の雰囲気さえ漂わせ、恰幅もよくなってきた。昨年の初めに、シュターツカペレ・ベルリンを率いて来日し、ブルックナーの全交響曲を指揮したことが強い印象を残した。

✏️バレンボイムらが会見〜東芝グランドコンサート35周年特別企画シュターツカペレ・ベルリン「ブルックナーツィクルス」ほか(2016.2.3)

pia small.png

そんなバレンボイムが、何と!ドビュッシーのピアノ曲のソロ・アルバムを出すという。しかも「初の…」らしい。

✏️ダニエル・バレンボイム初のドビュッシー・アルバムは“前奏曲第1巻”、“版画”など収録!

"Barenboim : Claude Debussy"
07_1102_01.jpg

曲目は以下の通り。

1.『版画』
 パゴダ
 グラナダの夕べ
 雨の庭
2.『ベルガマスク組曲』~月の光
3.レントよりも遅く
4.悲歌
5.前奏曲集第1巻(全12曲)



ただ、よく見ると、新しく録音したのは 1.〜4.だけ(2017年10月、ベルリン、テルデック・スタジオ)で、前奏曲は「1998年8月 スペイン、ペレ・マタ」での録音となっている。

どうせ弾くなら『ベルガマスク』は全曲やって欲しかったが、それでもあのバレンボイムが弾く「月の光」がどんなものなのか聴いてみたいものだ、と思う。どうも、私の中ではベートーヴェンのピアノソナタの印象が強く、バレンボイムとドビュッシーは今ひとつ結びつかないのだ…(^^;)。

pia small.png

このCDは「2018/1/12発売予定」(輸入盤?)なので、アマゾンでも「予約受付中」。すぐには聴けない。NAXOS に登録してくれないかな…(^^;)?

日本語版もあるらしく、『月の光~ドビュッシー:ピアノ名曲集』というタイトルで、こちらは「2018年1月31日発売予定」と少し遅れる。

pia small.png

おまけ。こんな話題(↓)もあった。

✏️高松国際ピアノコンクール予備審査通過、13カ国53人 鐵さんら若手ピアニスト出場 来年3月14~25日 /香川
✏️出場者一覧

それほど期待はしていないが、日本人14人のなかには初めて聞く名前もあるので、とりあえず来年3月のお楽しみにしておこうと思っている。


✏️辻井伸行パリ公演に密着 BSフジ“師走の芸術特選番組”

辻井伸行くんの演奏は最近なかなか良くなってきていて好きなのだが、どうも日本のメディアのとり上げ方は今ひとつ好きになれない。…が、いちおう録画だけはしておこう ♪







「手元を見ないで弾く」練習方法と「初見」練習の関係 ♪

12月に入ってから「手元を見ないで弾く」ための練習として「初見で弾く」ことを始めたのだが、1週間ほどやってみて、どうも方法としてはあまりよくないのでは?と思えてきた。

たしかに「初見」のためには「手元を見ないで弾く」ことが必須なのだが、「初見」のためにはそれ以外の能力もいろいろ必要で、「手元を見ないで弾く」は必要な能力の一部に過ぎないということが分かってきた…ような気がしている。

「初見」で上手く弾くために必要なことを思いつくままにあげてみると、たぶんこんな感じ(↓)で、「手元を…」はほんの一部なわけだ…。

・読譜力
・音符をまとめて把握する
・弾きながら少し先を見る
・瞬時に指使いを選択する
・手元を見ないで弾く

「初見」練習が「手元を見ないで弾く」練習にならないことはないと思うが、効率を考えるともっと別のやり方があるのでは?と思い始めたのだ。

「手元を見ないで弾く」ためには、感覚的に指が鍵盤を覚えるというのか、指と鍵盤の関係をイメージできる必要があるのではないかと思う。しかも、いろんなパターンの和音や運指を身につける(指が覚える?)必要があるような気もする。

pia small.png

で、ネットでいろいろ調べるうちにこんな記事(↓)を発見した。

✏️ピアノのブラインドタッチの練習方法

88鍵の真ん中に座る、中央の「ド」を探し当てるから始まって、各指での同音打鍵、ドレミファソファミレド、音階、オクターブ、1度〜10度…などとひたすら指の感覚だけで「鍵盤位置」を覚える(指が「鍵盤感覚」を覚える)という練習のようだ。

この通りにやることはちょっとしんどいが、まぁ、そういうところから始める必要があるのかも知れない…。

別の記事(↓)で紹介されているのは、弾きなれた曲を手元を見ないで弾いてみる、という方法。それができるのなら、次からは「鍵盤を見ないクセ」をつければいいだけ、と書いてある。それができれば苦労しないのだが…(^^;)。

✏️上達のヒント 鍵盤感覚

この記事にも「それができない」場合の練習方法として、ドレミファソファミレド、音階、アルペジオなどの練習が書いてある。やはり、基本的なことからやるしかないのか…。

pia small.png

仕方がないので?少し基本的なことも含めて「手元を見ないで弾く」練習方法としては、次のようにしようと思っている。③はシューベルトのソナタで数日前からやっているので、①と②を追加することになる。

①上の記事にある「基本」を少しやってみる
②次にハノンの基本パターンをやってみる
③練習中の曲の一部を手元を見ないで練習する

実は、今年の初めに「今年は基本練習もやろう!」と思って、ハノンも少し始めた(↓)のだが、わりとすぐに挫折してしまった。

《今年は基本練習も→まずはハノンと付点音符 ♪》

このときは「手元を見ない」ことなどは考えもしていなかったので、たぶん鍵盤を見て指を追いかけていたような気がする。今回は、手元を見ないで弾けるようにすることを目標にやってみようという訳である。

で「初見」の方は、次の「選曲」のための試し弾きとして、別メニューとしてやるつもり。試し弾きでは「選曲」の中身を優先する必要があるので、「手元を見ない」方は無理をしない範囲でやろうと思っている。

pia small.png

おまけ:いろいろ調べていたら「ピアノブラインド」なる商品(↓)を発見した。手元が見えないように鍵盤の上に「目隠し板」のようなものを取り付けるらしい。下の写真は、新色発表の記事からお借りしたもの。ここまでやるつもりはないが…(^^;)。

✏️ピアノブラインドとは何か

PianoBlind.jpg








ようこそ「ぴあのピアノ」へ ♪

「ようこそ」改訂版(2017/12/07)
PianoPiano.png

ようこそ「ぴあのピアノ」へ ♪
このブログのご紹介・ご案内です。下手なピアノを練習しながら、ピアノ音楽を楽しんで聴きながら、気ままにいろんなことを書いています。

ちなみに、ブログ名は "Pia's Piano"(Pia=ぴあ はペンネーム)の意味。私の自己紹介(プロフィール)はこちらです。

pia small.png

記事のカテゴリは9つありますが、大きく分けると次の3つに分類できそうなので、これに沿って以下説明します。

目次
これ以外に「その他」的なカテゴリとして「余談?」があり、日常生活など雑多なことを書いています。「まとめ」は、例えば来日ピアニストのリサイタル予定表などです。



ピアノは先生について習ったことはなく、素人の独習(監修?:元音大生のカミさん)ですが、2013年からほぼ毎日約1時間のピアノ練習を続けています。ピアノの練習に関する記事は基本的にはその記録です。選曲の過程なども含まれます。

「練習の記録」は、練習の進み具合とかその中で工夫したこととか発見したことなどを、週1回くらいの頻度で書いてます。

新しい曲に取り組むときは、できるだけ曲の分析(アナリーゼ)をやるようにしてますが、ネットに参考情報がないときはかなり我流でやってます…(^^;)。どちらかというと、練習する単位のブロック分けに近いです。これ(↓)なんかは頑張った例です。

《ベートーヴェン:ソナタ13番最終楽章アナリーゼ?》

「ピアノ練習法」の方は、練習の中で独自に編み出した?練習方法や、参考書やネットで見つけた練習方法を紹介しています。

練習方法は自分(の実力レベル)に合いそうな方法を試行錯誤しながら考えています。「大人ならではの効果的な練習法」を見つけるのが目的です。(参考→《実験開始》

ちなみに、これまでに練習した曲とその関連記事は1年ごとの記事にまとめてあります。最近の3年間はこんな感じ(↓)です。

[ピアノ練習履歴2017]
[ピアノ練習履歴2016]
[ピアノ練習履歴2015]

↑目次に戻る↑



ピアノ音楽を聴くのは好きなのですが、実はそれほど曲を知らないので「探索」(自分の好みにあった曲や作曲家を探す)をやっている時間が多いかもしれません。あと、練習している曲の「お手本」を探したり、弾き方の参考にするために何人かのピアニストを聴き比べたりしています。

聴くのは、主に YouTube と NAXOS Music Library(↓)です。

《IMSLPに入会した:年間$22でCD12万枚聴き放題 ♪》

また、自分が練習する曲を探すために、いろんな作曲家の作品を手当たり次第に聴いたり、難易度などいろいろ調べたりしてますが、その結果は《[ピアノ練習曲:選曲のヒント]》の記事にまとめてあります(随時更新)。

気になったピアノ曲や作曲家については、ときどき「ピアノ曲・作曲家」カテゴリの記事に書いています。

また、曲や作曲家を探していて知らなかったピアニストを発見することもあり、そういう場合は「ピアニスト」カテゴリの記事にしています。以前は、知っているピアニストが少なかったので、まとめて「探索」したことも何度かあるのですが、最近は「ピアニスト探索」を単独でやることはほとんどしてません。これまでの成果は下記(ご参考)。

《聴いてみたいピアニスト50人:「ピアニストの系譜」から》
《50人のピアニストを聴いて思ったこと》
《日本人ピアニスト35人、聴いてみようかな…》
《日本人ピアニスト37人チェック結果》
《日本人ピアニスト:探索再開しようかな…♪》
《日本人ピアニスト探索2の最終結果 ♪》

↑目次に戻る↑



本を読むのが好きなので、ピアノや音楽に関する本はけっこう読んできました。その感想文や読書メモなどを随時「ピアノの本」カテゴリの記事に書いています。また最近、これまでに読んだ本を1年ごとにまとめました(↓)。

《ピアノの本棚2017 ♪》
《ピアノの本棚2016 ♪》
《ピアノの本棚2015 ♪》
《ピアノの本棚2014 ♪》
《ピアノの本棚2013 ♪》

「ピアノの話題」では、ピアノに関する面白い記事やニュース、イベントなどについて書いています。2015年の《2015年は国際ピアノ・コンクールの当たり年!?》のときには、このカテゴリの記事が多かったと思います。

「ピアノ随想」カテゴリは、ピアノに関していろいろ考えたり感じたりしたことを、折に触れて気ままに書いています。以前は「いい音楽とは?」「いいピアノ演奏とは?」などというテーマらしいものもあったのですが、最近では「徒然なるままに…」という感じです。

↑目次に戻る↑


 参考

【関連記事】
《自己紹介(プロフィール)》
《ピアノに関する「興味マップ」》(下図)
《2017年 My Piano Life の目標 ♪》

ピアノ興味マップ.png

【姉妹サイト・SNS】
『ぴあの研究ノート』
 →読書メモや考え途中の下書き等ノート代わりのブログです。
『ツイッター@piano1949』
 →あまり書き込んでません…(^^;)。情報収集がメイン。
『ぴあのピアノ Facebook ページ』
 →実験(使い方研究?)中。

【旧版「ようこそ」】
《「ぴあのピアノ」の歩き方(ご案内)》(2015年09月06日)
《ようこそ ♪「ぴあのピアノ」へ!》(2016年01月09日)









アルゲリッチの自筆:スイスの音楽学校を残してほしいという手紙

スイスのジュネーヴ州立高等音楽院のヌーシャテル(Neuchâtel)校が閉鎖されることになったことに対する抗議の輪が広がってるらしい。

✏️Sauvons La Haute École de Musique de Neuchâtel(Facebookページ)
 (ヌーシャテルの高等音楽院を救おう)

そんな中で、ヌーシャテル校の存続を訴えるマルタ・アルゲリッチの手紙が公開されたとのこと。

✏️MARTHA ARGERICH APPEALS TO SWISS TO SAVE DOOMED MUSIC SCHOOL

その手紙がこれ(↓)。アルゲリッチ自筆の手紙 ♪ 意外と?きれいな字を書いている。内容はよく分からないが、4行目あたりに "Ecole de Musique de Neuchâtel" というのがある。日付の「12月3日」が "3, XII" となっていて、ローマ数字が使われているのが新鮮…(^^)?

martha-argerich.jpg


それにしても、音楽に対する風当たりは年々厳しくなっているような気がする。欧米でも学校で音楽を教えなくなったとか、オーケストラが解散したとか、芸術に対する政府の補助金がなくなったとか…、という話をよく聞く。残念なことだ。