2018年に第1回ショパンコンクール開催!但しピリオド楽器 ♪

「もうひとつのショパンコンクール」という、調律師の闘いのドキュメンタリー番組があったが、ショパン・インスティチュートはなんと!本当に「もうひとつのショパンコンクール」を始めるようだ。

その名も "International Chopin Competition on period instruments"(ピリオド楽器による国際ショパンコンクール)。

2018年がポーランド独立100周年に当たるので、それを記念してのコンクールのようだ。(でも、そのあとも続けるらしい)

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出場者には、ショパン・インスティチュートが持っている「ピリオド楽器」などが貸し出されるようだ。

例えば、"Institute's collection"の Erards(1838, 1849, 1855)、Pleyels(1848, 1854)、Broadwood(1843)やそのコピー楽器、ワルシャワの "Chopin's Buchholtz piano" のコピー楽器など。(詳しくはこちら

素人として、すぐに疑問に思うのは、どういう人(ピアニスト)が参加者になるのだろうか?ということ。普通のピアニスト?それとも「古楽器奏者」?

普通のピアニスト(現代ピアノを弾いている)だとすると、コンクール期間中だけ「ピリオド楽器」を弾くだけで十分なのだろうか? 古楽器奏者だとしても、日頃弾いている楽器と貸し出される楽器とではずいぶん違うのではないだろうか?

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もともと "Chopin and his Europe" というフェスティバル(参考《夏の疲れ?+「ショパンと彼のヨーロッパ国際音楽祭」》)では、ピリオド楽器での演奏なども行なっていて、"the Orchestra of the Eighteenth Century" という古楽器オーケストラ(このコンクールにも登場)も度々そこに出演しているらしい…。

…で、すでに具体的な案内が出ているので、公式サイトから主な情報を拾ってみると…。


✳️スケジュール(2018年)
5/1:応募締め切り→事前審査
 ※年齢:18歳〜34歳
6/30:30人の参加者発表

9/2-9/3:開会コンサート
9/4-9/6:第1ステージ(ソロ):30人
9/8-9/10:第2ステージ(ソロ):15人
9/12-9/13:ファイナル(オーケストラと):6人
9/14:Winners' concert

✳️レパートリーRulesから)

第1ステージ

①バッハの平均律クラヴィーア曲集から1曲(プレリュード&フーガ)
②ショパンの初期ポロネーズ(下記)から1曲
(in A flat major, Op. posth; in G sharp minor, Op. posth; in B flat minor, Op. posth; in D minor, Op. 71 No. 1; in B flat major Op. 71 No. 2; in F minor Op. 71 No. 3)
③以下のポロネーズから1曲
 Karol Kurpiński – Polonaise in D minor, Polonaise in G minor
 Józef Elsner – Polonaise in B major, Polonaise in E flat major
 Michał Kleofas Ogiński – Polonaise in A minor “Farewell to Homeland”, Polonaise in D minor
 Maria Szymanowska – Polonaise in F minor
④ショパンのエチュード(Op.10 or Op.25)から1曲
 (Op.10-3, Op.10-6, Op.25-7 を除く)
⑤以下のショパン作品から1曲
 バラード Op.23、Op.38、Op.47、Op.52
 バルカローレ Op.60

第2ステージ:ショパン作品(50〜60分)

①以下の作品番号のマズルカ(フルセット)から
 Op. 17, 24, 30, 33, 41, 50, 56, 59
②以下のポロネーズから1曲
 Andante Spianato and Polonaise Op.22
 ポロネーズ Op.44、Op.53、Op.26
③ソナタOp.4、Op.35、Op.58 から1曲

ファイナル

①ショパンのピアノ協奏曲(Op.11またはOp.21)
または
②下記から2曲
・Variations in B flat major on La ci darem la mano from Mozart’s opera Don Giovanni, Op.2
・Fantasy in A major on Polish Airs, Op.13
・Rondo à la krakowiak in F major, Op.14

✳️審査員

Claire Chevallier
Nikolai Demidenko
Nelson Goerner
Tobias Koch
Alexei Lubimov
Janusz Olejniczak
Ewa Pobłocka
Andreas Staier
Wojciech Świtała
Dang Thai Son

✳️賞金

First prize - 15 000 €
Second prize - 10 000 €
Third prize - 5000 €

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まぁ、どんなコンクールになるのかよく分からないが、ネット配信などは2015年のショパンコンクール(元祖?)と同じように行われるらしいので、楽しめる…かもしれない…(^^)?







キーシンのグラモフォン移籍第1弾が8月にリリース♪「ピアノ・マスターズ・シリーズ」のトップ!

つい最近、電撃的にグラモフォンへ移籍したエフゲニー・キーシンだが、その移籍第1弾のCDリリースが発表された。

タイトルは『ベートーヴェン・リサイタル ~《月光》《熱情》《告別》他』となっていて、ベートーヴェンの5つのピアノソナタなどの2枚組。2006年〜2016年の演奏だ(↓)。

ピアノ・ソナタ 第3番 ハ長調 作品2の3(ソウル2006年)
創作主題による32の変奏曲 ハ短調 WoO.80(モンペリエ2007年)
ピアノ・ソナタ 第26番 変ホ長調 作品81a《告別》(ウィーン2006年)
ピアノ・ソナタ 第14番 嬰ハ短調 作品27の2《月光》(ニューヨーク2012年)
ピアノ・ソナタ 第23番 ヘ短調 作品57《熱情》(アムステルダム2016年)
ピアノ・ソナタ 第32番 ハ短調 作品111(ヴェルビエ2013年)


8月30日発売で、Amazon では「予約受付中」となっている。まだCDのジャケットは公表されてないようなので、とりあえずお遊びで画像を作ってみた。(ユニバーサル・ミュージックさん、すみません。正式のものが公表されたら入れ替えますので…)

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このCD、実は2018年に創立120年を迎えるドイツ・グラモフォンが、その記念として企画している「ピアノ・マスターズ・シリーズ」("PIANO MASTERS")の第1弾でもある。

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なかなか魅力的なシリーズで、8月から毎月出ることになっていて、キーシンを入れて4つが年内にリリースされる予定。豪華メンバーだ(↓)。


9月:クリスチャン・ツィメルマン
『シューベルト: ピアノ・ソナタ 第20番・第21番』
ソロのフル・アルバムとしてはドビュッシー前奏曲集以来23年振りのリリース。2015年末〜翌1月の日本ツアーでの録音(新潟県柏崎市)。

10月:ダニール・トリフォノフ
『ショパン:ピアノ協奏曲第1番&第2番』
プレトニョフ指揮マーラー室内管。

11月:チョ・ソンジン
『ドビュッシー:映像、ベルガマスク組曲』
ドビュッシー弾きとして名高いベロフ直伝(チョ・ソンジンは2012年からパリ音楽院でミシェル・ベロフに師事)のドビュッシー。

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ちなみに、「2018年1月以降も超一流ピアニストの最新録音が続々発売予定!」と書いてあるので、12月はお休み?をして、来年のアニバーサリー・イヤーにもどっさりお楽しみが用意してあるのだろう。楽しみだ…(^^)♪

グラモフォンのピアニストは有名人がたくさんいそうだが、例えばこのページ(Gramophone Hall of Fame)には、以下のようなピアニスト名が列挙されている。

Leif Ove ANDSNES ★ Martha ARGERICH ★ Claudio ARRAU ★ Vladimir ASHKENAZY ★ Alfred BRENDEL ★ Emil GILELS ★ Glenn GOULD ★ Friedrich GULDA ★ Marc-André HAMELIN ★ Angela HEWITT ★ Vladimir HOROWITZ ★ Stephen HOUGH ★ Wilhelm KEMPFF ★ Evgeny KISSIN ★ Gustav LEONHARDT ★ LANG LANG ★ Dinu LIPATTI ★ Radu LUPU ★ Arturo Benedetti MICHELANGELI ★ Murray PERAHIA ★ Maurizio POLLINI ★ Sergey RACHMANINOV ★ Sviatoslav RICHTER ★ Arthur RUBINSTEIN ★ András SCHIFF ★ Artur SCHNABEL ★ Grigory SOKOLOV ★ Mitsuko UCHIDA

個人的な希望としては、アルゲリッチ、ソコロフ、マルカンドレ・アムラン、内田光子、シフあたりがいいと思う。グールド、ラフマニノフなんかも興味深いかも…。アシュケナージ、ブレンデル、ホロヴィッツ、…と言い出したらキリがなさそうだけど…(^^)♪

【関連記事】
《アルセニー・タラセビッチ・ニコラエフ、Deccaと契約 ♪》
《クラシックピアノ2016年の主なニュース》
 (トリフォノフ、グラモフォンの「アーティスト・オブ・ザ・イヤー」受賞)







幻となったアルゲリッチのオーストラリア・デビュー

去年の8月にこんな記事(↓)を書いて、アルゲリッチが初めてオーストラリアで演奏することにびっくりしたのだが、そのオーストラリア・デビューは幻となったようだ。

《アルゲリッチがデビュー!?初めてのオーストラリア ♪》

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✏️Sydney Symphony Orchestra Announces Yuja Wang to Replace Pianist Martha Argerich

上記の記事にあるアルゲリッチの "Dear Sydney public, " で始まる手紙によると、理由は「体調不良と身体の痛み」で、とてもオーストラリアまで移動してピアノを弾けるような状態ではないということ(↓)。

"I am unable to travel and play in this moment, feel very weak, exhausted and having physical pains that worry me, please excuse me! "

75歳という高齢だけに心配な文面だ("feel very weak, exhausted")。

元ダンナであるシャルル・デュトワのシドニー交響楽団デビュー40周年というコンサートであっただけに、本来なら何としても出たかったのではないだろうか。

代理はユジャ・ワンで、曲目の変更はなく、ベートーヴェンのピアノ協奏曲第1番を弾くことになっている。(6月29日〜7月1日)







ダニール・トリフォノフ、この夏のヨーロッパ公演をキャンセル!?

ダニール・トリフォノフがこの夏のヨーロッパ公演をすべてキャンセルするかもしれない、というニュースが飛び込んで来た。

✏️JUST IN: TRIFONOV CANCELS ALL SUMMER DATES IN EUROPE OVER US VISA WORRIES
✏️Daniil Trifonov sagt Konzerte ab(ドイツ語)

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記事がドイツ語なので、グーグル翻訳の日本語から推察すると…(ドイツ語読めるようになりた〜い…(^^;))

理由は「米国のグリーンカードを取得するための新たな規制」によるものらしい。トランプ大統領は、入国規制だけではなく、米国でグリーンカード(アメリカ合衆国における外国人永住権)発行の条件も厳しくしたようだ。どこまで時代逆行なのだろう、この人は…。

影響を受けそうなのは、ヴェルビエ音楽祭、バーデンバーデン音楽祭、ザルツブルク音楽祭など、けっこう大きな音楽祭ばかり…。ダニエル君、大変なことになっているみたいだ…。

9月(16日〜18日)の日本公演は大丈夫なのだろうか?
《ピアノカレンダー2017/2018:来日ピアニスト,コンクールなど》







アルセニー・タラセビッチ・ニコラエフ、Deccaと契約 ♪

アルセニー・タラセビッチ・ニコラエフ(Arseny Tarasevich-Nikolaev)が Decca Classics と契約したようだ。

✏️Arseny Tarasevich-Nikolaev signs with Decca and Universal

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Arseny Tarasevich-Nikolaev. Photo © Evgeny Evtyukhov Photography.

アルセニー・タラセヴィッチ=ニコラーエフはロシアの若手(23歳)ピアニスト。バッハの名演奏で知られるタチアナ・ニコラーエワの孫息子として有名?である。

初めてその名前を聞いたのは2015年のショパンコンクール。その有力候補の一人として名前があがっていた。
《ショパン・コンクールの有力候補を聴く》

その後、リーズ国際ピアノコンクールや2016年のシドニー国際ピアノコンクール(2位入賞)などで、何度も名前を聞いているうちによく知っているピアニストのような気になっていた。

YouTube 音源やコンクールの演奏を聴いた限りでは、個人的にはそれほど好みではなかったが、2015年以前にも「2012年スクリャービン国際ピアノコンクール優勝、2013年クリーブランド国際ピアノコンクール第2位、2014年グリーグ国際ピアノコンクール第2位」といった入賞歴があるので、安定した実力は認められているということだろう。

デビューCDは2018年に出る予定で、タイトルは "Moments Musicaux"(楽興の時)。ラフマニノフの「楽興の時」、プロコフィエフの「束の間の幻影」のほか、スクリャービン、メトネル、チャイコフスキーらのロシア作品を並べたものになりそうだ。おばあちゃん(タチアナ・ニコラーエワ)作曲のエチュードも2曲入るらしい…(^^) ♪

時期は不明だが、来日も計画されているとのこと。

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ちなみに、Decca は今年4月に中国のモエ・チェン(Moye Chen)とも契約しているが、彼はニコラーエフが2位に入賞したシドニー国際で3位になったピアニストである。

ピアノを弾いているときの表情から「変顔くん」というニックネームをつけて応援していたピアニストでもある。
《シドニー国際ピアノコンクール、ファイナリスト》

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✏️SIPCA 2016 success story Moye Chen signs to Decca

この記事によると、モエ・チェンのCDデビューも2018年に出ることになっており、ラフマニノフとパーシー・グレインジャー(Percy Grainger)の作品となる予定。この2人はアメリカに亡命した作曲家兼ピアニストという共通点?があるそうだ。

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おまけ。シドニー国際コンクールの結果を見ていて「あれっ!?」と思ったこと。4位に「Kenneth Broberg(アメリカ)」がいるではないか…。

ケネス君は、つい最近終わったばかりのクライバーン国際ピアノコンクールで2位に入賞したピアニストである。

Decca が次に狙うのは Kenneth Broberg なのか??