吉松隆のピアニスト論:暗譜の時は目のやり場に困る?

楽譜を見ながら弾けない!という私の悩みを書いた昨日の記事《「楽譜を見て弾く」じゃなく「手元を見ないで弾く」!》が思いもかけず注目記事の2位になった(ブログ村 2017/11/27 09:30現在)。久しぶりに頂いたコメントもとても参考になった。

で、そういえばプロのピアニストはどうなんだろう?と何となくネットサーフィン(古い!?死語かも…)していたら、面白い記事を見つけた。古い記事だが、作曲家の吉松隆さんのブログである。(↓下のイラストもお借りした)

✏️ピアノとピアニストたち
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この記事にはピアノを弾くことは「椅子に座って鍵盤を弾きながらペダルを踏むこと」などと、ピアノを弾くことやピアニストについての面白い(けどちょっと役に立つ?)話がいろいろ書いてあるのだが、その中に「ピアノを弾く顔」というのがあって、ピアニストはどこを見るのか?についての話がある。

ちょっとだけ引用してみる。


「楽譜がある時は音符を目で追いながら弾けばいいわけなのだが、暗譜の時は目のやり場に困るのも確かだ」

「四六時中ピアノの鍵盤を見ているのも芸がない。というより、せっかく暗譜して指が覚えているのに、あまりその指を見ていると、かえってミスタッチしてしまいそうになるのである」

「かと言って、うっかり横を見たりすると、お客さんと目が合ったりしてしまう」

「そんな時、ピアニストがよくやるポーズが、『上を見る』ことだ」

「というわけで(目のやり場に困るから?)、ピアニストは『目を開いていても、何も見ていない』状態でピアノを弾くわけだが…」



このあたりから、話はピアノを弾いているときの「顔」に移って行くのだが…興味ある方は吉松さんの記事をどうぞ。

まぁ、要するに、プロのピアニストは暗譜も完全で、手元を見る必要もなく、どこを見ていても弾ける、だから上を見たり目をつぶったり、逆に手元を見て集中している雰囲気を出したり?…なんでも出来てしまう、ということなのかな?

吉松さんの結論?(記事の最後の言葉)

「いろいろなピアニストが、様々なスタイルで『椅子に座り』『鍵盤を叩き』『ペダルを踏む』。
 それが、ピアノ。
 そして、それが音楽なのである」


…(^^;)???


【関連記事】
《本「作曲は鳥のごとく」:現代音楽からの決別》
〈読書メモ:『作曲は鳥のごとく』(吉松隆)〉
《音楽の歴史観・進化論?(読書感想)》
〈読書メモ『西村朗と吉松隆の クラシック大作曲家診断』〉
《日本の現代ピアノ曲を探す:吉松隆「フローラル・ダンス」》







大人のピアノ学習者&鑑賞者向けの雑誌がないものか?

数日前、「音楽の友」の特集について「なんか釈然としない…」といった感想を書いてしまったのだが、何となく気になっていたので媒体資料などを調べてみた。「媒体資料」とは、広告を出す人(広告主)に向けた資料で、雑誌の特長、発行部数、読者層や、広告料金などが書いてあるもの。

《名ピアニストたちのインタビュー「音友」11月号から》
《「音友」の特集「世界の名ピアニストたちの十八番」を読んで…》

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「音楽の友」の媒体資料によると、発行部数は10万部でその読者層は、

・40代以上が60%で、男性が59%
・59%が会社員など働いている層で、50%は年収500万円以上
・楽器演奏をする人48%、過去にしていた人24.4%(殆どがピアノ)


つまり「余裕のある中高年」が中心。そして、頻繁にコンサートに出かけている人たちだ。音楽の聴き方がソフト(CDやネット)よりもコンサート(オーケストラ55%、オペラ32%、鍵盤楽器28%、等)の方が59%と多い。その回数には驚く(↓)。


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これを見ていて以前書いた記事(↓)を思い出した。

《日本クラシック界の「ドメスティックな専門家」vs「音楽ファン」?》

「ドメスティックな専門家」=「国内演奏家+音楽教育者+音大生」、「音楽ファン」=「国内の演奏家には見向きもせずベルリン・フィルやメットオペラの来日公演に一枚3万円とか6万円といったカネをはたく音楽ファン」という定義なのだが、「音友」の読者層はまさにこのリッチな「音楽ファン」と重なる。

私のような、お金のない定年退職者、ピアノ音楽が好きで(聴くのも弾くのも)、知りたがりで、聴くのはほとんどが「ソフト」(YouTube、NAXOS 等のネット)、コンサートは年3回くらい、というのは「音友」の読者層には入らないらしい…(^^;)。
 
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ところで、ピアノ雑誌については、以前こんな記事(↓)を書いたことがある。このときも、私のような「ピアノ音楽が好きな中高年男性」向けのピアノ雑誌は存在しないことを確認してちょっとがっかりしたことを覚えている。

《ムジカノーヴァはピアノ指導者、月刊Pianoは10代ピアノ女子…》

海外の状況はどうかというと、少なくともイギリスには "Pianist" という雑誌・Webサイトがあって、割と私の興味範囲とあっているような気がする。

ピアノの練習方法でときどきお世話になっていたりする(↓)サイトだ。

《ピアノ練習方法がよく分かる動画(中級):Pianist Magazine》
《ピアノ練習方法がよく分かる動画(初級):Pianist Magazine》

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お遊びで、 "Pianist" も含めて、読者層の男女比と年齢をグラフにしてみた。日本のピアノ雑誌では、極端に女性の読者が多いことが分かる。"Pianist" は「音友」と近い。

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年齢層については、"Pianist" は「45歳以上が68%を占める」としか書いてないので、グラフには入れていないが「40代以上が60%」という「音友」よりも少し年齢層が高いようだ。

PianoMagNendai.png

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調べていてひとつ気付いたことは「日本はネットが遅れている!」ということだ、各雑誌とも最新刊の目次くらいしか載っていない。

例えば、"Pianist" の「リーチ数」(アクセスユーザー数)を見ると、Webサイトへのアクセスが雑誌(紙媒体)に近い値になっている。ソーシャルメディアは雑誌より多い。

Magazines:15,000
Website:11,351
E-newsletter:3,817
Social media:16,343



私のような「ピアノ音楽が好きな中高年男性(下手な大人のピアノ学習者)」向けのピアノ雑誌(と充実した Webサイト)が出来るといいのだが…。たぶん、日本ではカネにならないから誰もやらないんだろうなぁ…(^^;)。

以下ご参考(出典の各誌媒体資料:pdf)。

✏️音楽の友 媒体資料
✏️ムジカノーヴァ 媒体資料
✏️月刊ピアノ 媒体資料
✏️Pianist 2016 Media Pack







「音友」の特集「世界の名ピアニストたちの十八番」を読んで…

昨日の記事《名ピアニストたちのインタビュー「音友」11月号から》の終わりで、「音楽の友」11月号の特集「世界の名ピアニストたちの十八番」というタイトルは「釈然としない」と書いたが、インタビュー記事以外の企画記事?についてもちょっと「ひと言」言いたくなったので…。2日連続「音友」話題ですみません…(^^;) 。

音楽の友 2017年11月号


記事は4つ(↓)ある。タイトルは長いので端折ってある。

①「○○○のスペシャリスト」…
②ピアニストたちの進取の気性が光る演奏会
③エッジの効いたピアニストたち
④ピアニストたちの十八番を聴く!


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①は青澤唯夫氏の文章で、「ベートーヴェン弾き」「ショパン弾き」…などの「スペシャリスト」の系譜をたどる、とタイトルにある。ちょっと期待した。ところが、である…。

何と言っても、とり上げられているピアニストたちの年齢が高すぎる!それと、作曲家もバッハ、スカルラッティ、ベートーヴェン、ショパンだけ…!? モーツァルト、シューベルト、シューマン、ブラームス、ドビュッシー、ラヴェル、ラフマニノフ、…もっと知りたかったのに…(^^;)。

各作曲家(4人だけ!…しつこい?)について「往年の大家」(下記表記「往」)と「現代のピアニスト」(同じく「現」)がそれぞれあげてあるのだが、こんな感じだ(↓)。

バッハ弾き
 往:タチアナ・ニコライエワ(1924-93)
 現:アンジェラ・ヒューイット(1958- /59歳)

スカルラッティ弾き
 往:ウラジーミル・ホロヴィッツ(1903-89)
 現:アンドラーシュ・シフ(1953- /64歳)

ベートーヴェン弾き
 往:ヴィルヘルム・バックハウス(1884-1969)
 現:マウリツィオ・ポリーニ(1942- /75歳)

ショパン弾き
 往:アルフレッド・コルトー(1877-1962)
 現:クリスティアン・ツィメルマン(1956- /61歳)



これらのピアニストの名前が妥当かどうかは置いておくとしても、個人的な希望としては、「現」となっているピアニストが現役の「定評のある人」で、「現代のピアニスト」としてはもっと若手、あるいは中堅のピアニストをあげて欲しかった。

上の「往」をみると、どう見ても「博物館」の趣だ。歴史として押さえておくのはいいのだろうが、興味を持ったとしてももう聴けないし(生では)…。

75歳のポリーニを「現代…」というのはさすがに無理があるのでは?(若いときの演奏は好きだけど…)20代・30代、せめて40代のピアニストを紹介して欲しかった。

たくさんいると思うのだけど。ダニール・トリフォノフ(1991- /26歳)、イゴール・レヴィット(1987- /30歳)、リュカ・ドゥバルグ(1990- /27歳)、ラファウ・ブレハッチ(1985- /32歳)、ピョートル・アンデルシェフスキ(1969- /48歳)、コンスタンチン・リフシッツ(1976- /41歳)…等々。こういう中で、現代の音楽界ではこの人の(例えば)バッハは素晴らしいとか、これまでにない現代的解釈だとか…、そういう話を期待したのだが…。

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②は「厳選!」した「現代の名ピアニスト」たちの企画性に注目した演奏会の紹介で、真嶋雄大氏のチョイスと書いてある。

なのだが、なぜだかほとんどが日本人。小山実稚恵、仲道郁代、小菅優、小川典子…??? フランチェスコ・トリスターノとエマール、それにトッパンホールの「鬼才たちのピアニズム」シリーズがおまけのように入っているが…。

それとプログラムの中身にしても、なんだか今ひとつパッとしない。トリスターノの自作自演「ピアノ協奏曲《アイランド・ネーション》」(日本初演)とか、エマールさんのメシアンはいいとして、定番曲の組み合わせ…?

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③の「エッジの効いたピアニストたち」(文:道下京子)は4つの記事の中ではわりと面白いが、「来日ピアニスト」に限った内容になっているようだ。

そう思って特集全体を見てみると、どうも「日本で聴けるピアニスト」という「制限付き」になっているとしか思えない。そうならそうと初めに断ってほしいものだ…。タイトルには「世界の…」と書いてある。

ちなみに、登場しているピアニストは下記。●印は、私がこれまでに生演奏を聴いたことのある人、印は来年聴く予定の人、★は初めて聞く名前なので調べようと思っている人。名前のリンク先はこのブログの関連記事。

ピエール=ロラン・エマール
ブルーノ・カニーノ★(2018年5月来日予定)
イーヴォ・ポゴレリッチ
コンスタンチン・リフシッツ
ファジル・サイ
セルゲイ・カスプロフ★(2019年2月来日予定)
リュカ・ドゥバルグ
キット・アームストロング
カティァ・ブニアティシヴィリ

エリソ・ヴィルサラーゼ
ピョートル・アンデルシェフスキ
マルティン・シュタットフェルト★
ネルソン・フレイレ
アンティ・シーララ

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④は単なる「演奏会情報一覧」。「十八番」とは何の関係もない。たまたまそのリサイタルで十八番を弾くということはあるかも知れないが…。

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という感じで、なんだか、この特集は国内コンサートの宣伝記事?のような気もしてきた。「グローバル」とか「世界の」とか言いながら、結局この雑誌は国内コンサート(と国内販売CDなど?)の宣伝雑誌でしかないのかも知れない。

もちろん、それはそれでありがたい情報であるし、これまでも「音楽の友」には、雑誌だけでなくいろんな本でお世話になっているので、文句を言うつもりはないのだが…。今日のところは散々言ってしまったかも知れない…スミマセン…(^^;) 。

それと「音楽評論家」の方たちにももう少し頑張っていただいて、クラシック音楽業界を先に進めるような論評や記事をお願いしたいものだ。…などと書いていて昔書いた記事(↓)を思い出した。今回の記事を書いた評論家の名前も出ていて、個人的にはちょっと面白かった…(^^)♪

《コンサートランキングから評論家をランキング!?》


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いいピアノ演奏の「いい」の中身♪?

『ピアノの名曲 聴きどころ 弾きどころ』(↓)という、最近出たイリーナ・メジューエワさんの本を読んでいる。



いろんなピアノ曲の、ポイントになる部分を楽譜で示しながら、その解釈や弾き方などをピアニストの立場から書いてあるので、私のような素人ピアノ音楽ファンにはやや難しい(読みやすく書いてはあるが…)のだが、読みながらちょっと感じたことがある。

それは、私の「音楽(演奏)の良さ」を表現する語彙があまりに貧弱だな〜ということ。ほとんどが「いい」「面白い」「素晴らしい」あたりで済ませているような気がする…(^^;)。

「いい演奏」を探索していたり、「いい演奏とそうでない演奏の違いは?」などということを考えたりしている割には、「いい」の中身をこれまであまり説明できていない…。

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この本では、それぞれの曲について「おすすめの演奏」をいくつかあげてあるのだが、その紹介文に使われている表現をパラパラと拾い上げてみると…。

「知的で説得力のある、示唆に富んだ」
「真摯さ、温かさが音の中に」
「響きを探している感じがとてもリアル」
「音の中に静けさがあって、内面的な雰囲気」
「ハーモニーがきれいな形の中に生きています」
「深さ、まろやかさ、輝かしさなど、音がすごい」
「インティメートで軽やかな」


…他にもたくさんあるのだが、こういう言い方、私にはできそうもない。感性が「雑」なんだろうか…(^^;)?

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試しに、ちょっとした「思考実験」をやってみた。「いい」「面白い」を英語で言うとどうなるのか?思いつく単語を並べてみた。で、それに私なりの日本語訳をつけてみた。

いい
 ↓
good:良い
nice:素敵な
comfortable:心地よい
pleasing:愉快な
beautiful:美しい
great:素晴らしい
moved:感動した

面白い
 ↓
interesting:興味深い
enjoyable:楽しい
new:これまでにない
attractive:惹かれる
exciting:刺激的な

…ん〜、表現が深まった感じはあまりしないな〜。やはり、メジューエワさんみたいにもう少し具体的に、文章にする必要があるのだろうか? 一つの形容詞だけでなく…。

でも頑張れば、「いい」と言う代わりに、例えば「聴いていて心地よい、とくにハーモニーの絶妙な移り変わりがいい」などと少し具体的に言うことはできるかも知れない。

ただ、聴いているときの正直な感覚は「コレいい!」なんだよなぁ…(^^;)。

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音楽を聴いたときに感じたことやその良さを、人に「言葉」で伝えるのは本当に難しいと思う。そもそも、音楽というのは言葉で表せない何かを「音楽言語」と「音(音響)」で表現するものなのだから。

音楽の良さを表す言葉を集めたようなサイトがないか、探してみたが見つからなかった。その代わり?、ヴィクトル・ユーゴーの言葉(↓)を知ることができた。言葉の専門家である詩人が言うのだから、やはり言葉で説明するのは難しいんだ…。

"Music expresses that which cannot be put into words and that which cannot remain silent."
(音楽は、人が言葉で言い表せないこと、しかも黙ってはいられない事柄を表現するものである。)


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まぁ、でももう少し「いい」の中身を表現する努力はしてみようかと思った。自分の貧弱な言語能力の範囲で…。

なお、『ピアノの名曲 聴きどころ 弾きどころ』についての感想文(読書メモ)は、読み終わってから書くつもり。難しいながら、いろいろと参考になるところもあったので…。







ピアノの音は色彩豊かな球体!♪上原ひろみインタビュー

昨日の記事に「『いい音』は響き(情報量)が豊か ♪」という話を書いたが、ピアノの音を「球体」と表現しその響きの膨らみと色彩を大事にするピアニストの言葉に出会った。

それは、ジャズピアニスト上原ひろみさんがインタビュー記事(↓)の中で、ピアノの音の響きや色彩豊かな「音のパレット」について語っている言葉。何度も頷きながら読んだ。

✏️素晴らしいピアノは音の色彩豊か、上原ひろみ 理想の音楽とは


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「毎回ピアノの調律を指定するのですか?」という質問に対し、「対応できる方であればあるほど、注文を細かくします」と答えたあとに…。

「でも、重要視しているのはタッチというよりも音の響きですね。音が球体である、というか『ド』と弾いたときの音の膨らみです。調律によって音の膨らみが全然違ってきます」

別のところで「ピアノが持つ可能性をどれくらい引き出せているか?」という質問に対しては、

「何%かというとわからないですけど、半分はいってるかもしれませんね…。ピアノの可能性という意味で、弦を直接弾いたり、叩いたり、ピアノを本来弾くべきではない所で弾くという意味ではなくて、ただ『ド』という一音を鳴らしたときの音の出し方の可能性です。それが『まだまだだな』と思っています」

この謙虚さは素晴らしいと思う。そして、続く言葉(↓)にもとても説得力がある。

「色彩というか、素晴らしいピアニストというのは何色も音のパレットがあると思います。同じ音でも様々な音が出せます。それは、言葉を話すときに美しいものを見て、様々な言い回しができる人が作家さんだったりすることと同じだ思うんです。ボキャブラリーや技術と経験と表現力ですね。何種類もの“美しい”が言えるということと同じことが、音でも言えると思います」

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…と、ここまで書いてふと思ったのは、ジャズピアニストの方がクラシックのピアニストに比べて「表現する意志」が強いのだろうか?ということ。ステージでも感情を前面に出すような演奏が多いし、即興というものもある。

だから、音色や音のパレットという「表現のツール」に対してより敏感なのだろうか?

いや、そんな筈はない!…と思いながらも、クラシックのピアニストは「偉大な作曲家」のテキスト(楽譜)に縛られすぎなのかも?…なんてことを考えたりもしている…。

上原ひろみさんはこんなこと(↓)も言っている。

「ピアノは変幻自在な楽器だと思うので、そのときになりたいものになれるという感じがします」「(ピアノとは)一心同体ですね。特に上手くいっているときはそう感じます」

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「表現」を大事にする姿勢は、音楽を聴くときの聴き方にも同じように表れている。

「自分が昔から聴いている人達で技術を取りざたされる人はいますけど、例えば初めてアート・テイタムやオスカー・ピーターソンを聴いたときに『技術が凄い!』とは思いませんでした。すごいスウィングだなとか、音がすごく楽しいなとか、音が“コロコロ”して気持ちいいなと感じました」

「凄く難しくて技術力が高いということ」は、あとで自分が勉強するために「耳コピ」などをするときに初めて分かるそうだ。

一流のピアニストから、こういう実感に基づいた、しかも分かりやすい話を聞くと、なんだかこちらも本当に分かった気になってくる…(^^) ♪

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ところで、このインタビューは、ジャズ・ハープ奏者のエドマール・カスタネーダとのデュオのライブアルバム『上原ひろみ×エドマール・カスタネーダ「ライヴ・イン・モントリオール」』が9月20日にリリースされたことを記念して行われたものである。

ライヴ・イン・モントリオール(初回限定盤)(DVD付)


ハープとジャズという組み合わせはまったく想像もできなかったのだが、上原ひろみさんも最初は驚いたようだ。

「ハープってこんな楽器だったんだと。自分が今までぼんやり描いていたハープのイメージを全て覆されるような、初めての体験でした」

「エドマールという人の持つ強さや素晴らしさは、あの楽器からあれだけのグルーヴ、リズムを生み出して、一つの楽器がベースにもギターにもパーカッションにもなり、本当に多面体な楽器であるということを彼は証明しながら弾くので、そこが凄いなと思いました」



…と聞いてもよく分からないので、YouTube で探して聴いてみた(↓)。たしかに、これまでのハープのイメージがひっくり返ってしまった。「百聞は一聴に如かず」(^^) ♪

Hiromi & Edmar Castaneda - Fire (Live in Montreal)

ハープだけの演奏も聴いてみた。こちらの方が「ベースとギターとパーカッションを一つの楽器で一人が演奏している!」感じがよく分かる。面白い!♪

Edmar Castaneda: NPR Music Tiny Desk Concert

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ちなみに、このデュオの日本国内ツアーが、11月22日〜12月8日に予定されているようなので、よろしければ…♪ 詳しくは下記から。

✏️上原ひろみ×エドマール・カスタネーダ、日本ツアー開催発表