シジュウカラがやって来た!♪(営巣の話)


今日はピアノの話ではなく、ウチの庭の小さな幸せの話 ♪

数年前から、知人に教わって庭の木にシジュウカラ用の巣箱を設置している。が、なかなか入居してくれない。


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今年も、数週間前からときどき「下見」に来ている様子なのだが、なかなか「成約」に至らない。なんだか賃貸マンションの家主みたいな気持ちで過ごしていた。

…のだが、この数日、いつもより頻繁に訪れるようになった気がして、よく見ていると、くちばしに何か草のようなものをくわえていたりする。どうも巣の材料を運び込んでいるようだ。

やった!♪ 3年目にしてやっと入居してくれたようだ…(^^)!!

試しに置いてみたカラつき落花生(シジュウカラの好物)が効いたのか…?


しばらくは、驚かして引っ越しされないように、庭仕事も少し控えめにして、様子を見守ることにした。

居間の窓(のうすいカーテン)越しに見ていると、「ぢぢぢぢ」みたいな声を出してやってくる。いつもの「ツツピーツツピー」とか「ピィー」とかじゃなく…。なんか意味があるんだろう。


写真を撮りたいのだが、残念ながら iPhone では近づけないので無理…。で、ズームのついたデジカメを探してみた。

調べてみると、イマドキのデジカメは光学40倍(↓)だったりする。しかもそれほど高価なものでもない。

Canon PowerShot SX720 HS 光学40倍ズーム



ちょうどいい口実?もできたので、思い切って買うことにした ♪

ちなみに、最初の巣箱の写真は1年以上前のもの。運がよければ、次はシジュウカラの姿をアップで!捉えることができるかも知れない。楽しみが一つ増えた…(^o^)♪







ソン・ヨルム:モーツァルトも現代曲も明快!♪


ソン・ヨルム(Yeol Eum Son)という名前は、『ヴァンクライバーン 国際ピアノコンクール 』という本を読んで初めて知った。

辻井伸行クンとハオチェン・チャンが1位になったクライバーン・コンクールで2位になった韓国の女性ピアニスト。

それほど興味をひかれた訳ではなかったのだが、YouTube でハオチェン・チャンの音源を探しているときにたまたま見つけたモーツァルトのコンチェルトを聴いてびっくりした。

活き活きとしたモーツァルト


それがこの(↓)ピアノ協奏曲第21番なのだが、音が明快で歯切れがいい、こんなに活き活きとしたモーツァルトはあまり聴いたことがないかもしれない。女性には失礼かもしれないが「男前」な感じのモーツァルトだ。とてもいい ♪

Mozart - Piano Concerto No. 21, K.467 / Yeol Eum Son

この演奏が2011年のチャイコフスキー・コンクールのものだったので調べてみると、このチャイコンでも2位になっている。

このときの優勝はダニール・トリフォノフ、3位はチョ・ソンジンである。なるほど!と納得。



本人公式サイト "YEOL EUM SON" でいくつかの演奏を聴いたが、カプースチンやアルカンなどの難しそうな曲も軽々こなして、なかなかいい感じである。


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最新CD "Modern Times"


もっと最近の演奏を聴いてみたいと思ってCDを探したら、1年ほど前にリリースされた『ソン・ヨルム - Modern Times』というのを見つけた。





"Modern Times" というタイトルだけあって、20世紀のピアノ曲で構成されている。

アルバン・ベルクのピアノソナタ、プロコフィエフの「トッカータ」、ストラヴィンスキーの「ペトルーシュカからの3楽章」、ラヴェルの「クープランの墓」と「ラ・ヴァルス」。


どれもいいが、とくにベルクのピアノソナタが気に入った。たぶん初めて聴く曲だが、難しそうな曲をさりげなく、しかもしっかりとした音楽として成り立たせている。この曲、お気に入りになるかも…。

ただ、ラヴェルは両方ともやや物足りない感じがした。

クープランの墓はちょっとあっさりしすぎている印象。「簡単に弾けちゃう感」?みたいなものがあって、もう少し音色に陰影があってもいいと思った。「メヌエット」だけはちょうどいい塩梅(あんばい)。

「ラ・ヴァルス」も軽やかで、これはこれでいいのだが、ちょっと変な言い方かもしれないが「健康的」すぎるように感じる。


おまけ1:「羊は憩いて草を食み」


いろいろ聴いている中で、なかなかいい曲(↓)に遭遇した。

J. S. BACH - E. Petri Sheep may safely graze

とても可愛らしくて、リズミカルな繰り返しが耳に残る曲である。

調べてみると、J.S.バッハのカンタータ BWV208 第9曲アリア「羊は憩いて草を食み」のピアノ編曲版(編曲:E. Petri)であった。

IMSLP に楽譜があったので、ダウンロードして弾いてみた。

…が、難しい…(^^;)。ソン・ヨルムはあんなに簡単そうに気持ちよく弾いていたのに…。でも、いい曲を教えてもらった ♪


おまけ2:佐村河内の?ソナタを初演…


さらに、ソン・ヨルムは意外なところに登場していた。なんと佐村河内騒動の中で、彼の?ピアノソナタを初演しているのだ。

佐村河内守「ピアノソナタ 第1番・第2番」初演ツアーへ

こんな騒動に巻き込まれて、日本に来るのが嫌になったのではと心配したが、大丈夫のようだ。今年も5月に金沢で行われる「風と緑の楽都音楽祭」に出演することになっている。







ハオチェン・チャン:ヤナーチェクがいい♪


ハオチェン・チャン。少し前のねもねも舎の記事に、「エイブリー・フィッシャー・キャリア・グラント2017にハオチェン・チャンが選出」というのがあり、ちょっと気になっていたピアニストである。

辻井伸行クンが優勝したヴァン・クライバーン・コンクールで最年少(19歳)の同率1位だったことはこの記事で知った。


今回、『ヴァンクライバーン 国際ピアノコンクール 』という本を読んで、その中のインタビューで好感度が上がったこともあり、聴いてみることにした。


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ハオチェン・チャンのインタビューから


ピアノを始めた動機からして面白い。

母親が、アメリカの雑誌「リーダーズダイジェスト」(懐かしい…♪)の記事で「ピアノを弾くとIQが上がる」というのを読んで、アップライトピアノを買ってきた。…というのがきっかけ。それが3歳9カ月の時。

とくに音楽家の家系ではない。父親は日本語の通訳、母親はコンピュータ・エンジニア。

で、5歳のとき(たった2年で!)、バッハの《二声のインヴェンション》全曲とモーツァルトとハイドンのソナタでリサイタル・デビュー。

10歳のとき、中国人で初めてショパンコンクールで優勝したユンディー・リーのニュースを聞いて、さっそくユンディーの先生に習うために深圳に行く。4年間をそこで勉強する。

なんというか、たぶん母親の行動力がすごかったのだろう…?



14歳でフィラデルフィアのカーティス音楽院に合格するのだが、カーティスを選んだ理由も面白い。

「学生全員に全額奨学金が支給されるし、在籍中ずっと自分のアパートでスタインウェイのグランドピアノが使えるし、週3〜4回もの演奏機会が与えられるし、毎週コンサート・チケットがもらえるし、…」

ちなみに、ジュリアードはオーディションのときにトップをとった人だけに、1年間だけ奨学金が出るそうだ。

カーティスでは、ラン・ランやユジャ・ワンを指導したゲイリー・グラフマンについて研鑽を積む。



ラン・ランのことを聞かれて…。

「ラン・ランの演奏の多くはとても好きです。彼のスタイルは特徴的で演奏はとても面白いと思います。…演奏の多くはとても独特なので、真似をしようとも思わないし、解釈については賛成しない部分も多いけれど…」と微妙な発言。

まぁ、なかなかいい感じの好青年(少年?…このとき19歳)という印象だ。


いくつかの演奏を聴いて…ヤナーチェクがいい ♪


まず YouTube で見つけたベートーヴェンのソナタ21番。2014年9月の演奏。

Haochen Zhang - Beethoven Sonata No. 21 in C major, Op. 53

疾走する「ワルトシュタイン」は悪くはないのだが、全体的にちょっと軽い、というか、この人の特長といわれている「ブリリアントな音」が一人歩き(上滑り?)している感じ…? 音はきれい。

まぁ、正直なところ「発展途上」の演奏かな?と思った。



次に、本人サイト "video" のページにあった音源をいくつか聴いたのだが、それほどピンと来るものはなかった。

ただ、初CDのプロモーション動画にあったヤナーチェクが気になったので、NAXOSで探してみた。

すると、今年(2017年)の2月に出たばかりのCD『Schumann・Liszt・Janacek・Brahms: Works For Piano (SACD)』があった。




収録曲は、シューマンの「子供の情景」、リストのバラード第2番、ヤナーチェクのピアノソナタ第1番「1905年10月1日の街角で」、ブラームスの3つの間奏曲 Op.117。


シューマンとブラームスはきれいに弾いているが、まぁ普通かな…? リストは曲自体があまり好きではないので…。

で、ヤナーチェクのピアノソナタ「1905年10月1日の街角で」変ホ短調がなかなかいい ♪

この曲は、記憶にある限り1回くらいしか聴いたことがなく、そのときはあまり印象に残らなかったのだが、今回は聴き入ってしまって、2度3度と聴いてしまった。

シリアスな哀しい内容を持つこの作品を、美しいピアノの音が昇華させているような演奏だと感じた。

19歳でヴァン・クライバーン・コンクールで優勝してから7年経ち、26歳になったハオチェン・チャン、今後の進化・活躍に期待したい ♪

ちなみに、6月に来日するようだ。


【関連記事】
《ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクールについて(読書メモ)》
《カーティス音楽院の音源、デジタル化・クラウド化大計画!》
《カーティス音楽院のサイトでトイピアノの演奏が聴ける ♪》







ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクールについて(読書メモ)


今年はヴァン・クライバーン国際ピアノコンクールの年なので、『ヴァンクライバーン 国際ピアノコンクール 』という本を読んでみた。

単なる、コンクールの様子や出場ピアニストの紹介という以上に面白かったので、興味深かったところだけをメモ的に書いておきたい。


著者は、自らもピアノをたしなむというハワイ大学教授の吉原真里(→本人サイト)という人。2009年、辻井伸行クンが優勝した第13回コンクールを取材して書かれた本だ。

副題に「市民が育む芸術イヴェント」とある。たしかにそうなのだが、この本を読んでみると、むしろ「フォートワースの富豪が育む…」と言ったほうが当たっているような気がした。




ただ、アメリカの「富豪」はスケールが違うだけでなく、質的にずいぶん違うような気がする。

あり余る財産に加えて、自分たちの労力や気持ちも、地域の文化振興や芸術のために惜しげなくつぎ込み、それを自らの喜びや誇りとしているように見える。


富豪たちが育む…


例えば、コンクールを運営するヴァン・クライバーン財団の予算は、コンクールの開催年は約510万ドル、それ以外の年は230万ドルにのぼるが、その57%が個人や民間団体からの寄付によるものだ。

他は企業からの寄付が21%、事業収入が20%となっている。


コンクール開催中、30人のコンペチターにはそれぞれにホスト・ファミリーがつく。ホスト・ファミリーは無報酬で、「自宅」内に滞在場所、練習場所などを提供し、食事や空港までの送迎、休日のお相手など至れり尽くせりの世話をする。

とくに重要なのが練習環境である。グランドピアノ2台(協奏曲練習のために2台必要)を24時間いつでも自由に弾ける環境が必要とされる。ピアノはスタインウェイ社から貸し出される。

こんなホスト・ファミリーを買って出るような金持ちは日本にはあまりいそうもない…?


プロのアート・マネジメント


このコンクールは、1958年の第1回チャイコフスキー・コンクールで優勝したヴァン・クライバーンにちなんで設立され、1962年9月に第1回が開催された。

ちなみに第1回コンクールには、審査員に井口基成、参加者に弘中孝(8位)、中村紘子(ファイナルで病気のため途中棄権)が日本から参加している。


現在のようなトップクラスのピアノコンクールに育て上げた人物が、リチャード・ロジンスキという人物。1986年に運営委員長に就任し、1989年第8回コンクールから20年間活躍した。

その父は国際的な指揮者であるアルトゥール・ロジンスキであるが、本人はアート・マネジメントの専門家である。

アート・マネジメントとは、芸術的知識やコンサートやホールの運営能力だけではなく、マーケティング、"grant writing"(公的資金や助成金の獲得、民間・個人とのネットワークによる資金集め)、人事など実に幅広い能力や人脈が要求される。

このロジンスキの尽力によって、ヴァン・クライバーン・コンクールが地元フォートワースに根付き、育っていったのだと思われる。(日本にもこういう専門家が欲しいものだと思う…)


ヴァン・クライバーン・コンクールの形


ロジンスキの手によって、次第に現在のクライバーン・コンクールの形が出来上がっていった。

例えば、演目をプロの演奏活動に近い形に変えた。依嘱する現代曲以外ほとんど自由にプログラムを組むことができる。また、ソロだけではなく、室内楽と2つの協奏曲を演奏する。

入賞者(1〜3位)に対しては同等の賞金・賞品(3年間の演奏機会とマネージメント)が与えられる。


また、コンクール以外(の年)にも、コンサート・シリーズや教育プログラムなどを行なっている。2002年度からは "Cliburn at the Modern" という現代作曲家作品の演奏会シリーズも行われ人気を博している。

ヴァン・クライバーン国際アマチュアコンクールを始めたのもロジンスキだ。「人びとに『人生を楽しみなさい』というメッセージを送りたかった」と言っている。

《ヴァン・クライバーン国際アマチュアコンクール、何かすごい!》


もう一つ感心したのが、本選中に行われたシンポジウム。

領事や外交官が芸術・文化外交を論じるディスカッション、取材している記者たちが音楽ジャーナリズムの現在について話し合うフォーラム、審査員たちがコンクールについて語るシンポジウム、本選の指揮者ジェイムズ・コンロンによる講演と質疑応答。…といった充実した内容だ。

こうした、コンクール以外の幅広い文化的活動が、ピアノコンクールの価値を高めているようにも見える。


クライバーン・コンクールが目指すもの


関係者が口を揃えて言っているコンクールの目的は、

「真の芸術家の資質を備えていて、プロとしてすぐに活動を始められる準備ができているピアニストを見きわめ、…キャリアの扉を開ける手助けをする」

…ことであって、「スター」の発掘でも、今後の成長が期待できる「若い才能」の発見でもないということだ。

そのため、プロのピアニストが行うようなリサイタル、室内楽、2つの協奏曲の幅広いレパートリーが要求されるとともに、短期間でのあらゆるプレッシャーに負けない体力・精神力が試される。


審査員向けハンドブックには次のようなことが書かれている。

「審査員は、コンクールでの演奏中、音楽性、様式的整合性、音楽的高潔性、作曲家の意図の理解、形式的整合性、音色についての感性、個性、創造的イマジネーションなどといった、明らかに考慮すべき点に注意を払うようお願いします。

しかし、それと同時に、審査員は、内なる耳 -- それは、心、または魂と呼ぶべきでしょうか -- をもって演奏を聴いてください。つまり、音程やリズム、音量などといったことを超えた、…われわれの感情をあふれさせ、われわれの価値観を育んでくれるようなもの、それこそに耳を傾けてほしいのです。…」


「音楽的高潔性」「内なる耳」「価値観を育んでくれるようなもの」…なかなかいい言葉である。


おまけ&予告?


…と、この本を読んで面白いと思ったことについて書いてきたが、気がつくと肝心のコンクールの具体的なこと何も触れてない記事になってしまった…(^^;)。

まぁ、コンクールの様子、参加ピアニストやその演奏に関すること、パーティなどのエピソード…などに興味のある方は本書を読んでいただきたい。


ただ、今回書いたこと以外に、気になったことの一つが入賞した3人のピアニスト、1位の辻井伸行クンとハオチェン・チャン、2位のソン・ヨルムのことだ。

それについて書き出すと、長くなるので、別の記事としたい(書く元気があれば…)。

参考:《ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクール出場者30人:日本人は深見さん一人…》
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ベートーヴェン:ソナタ13番、只管練習中 ♪


「只管練習中」ってなんだか中国語みたいだが、れっきとした日本語。「ひたすら練習中」と読む。

…というか「ひたすら」と入れたらこの漢字が出てきた。何となく、ひらがなよりも一生懸命やってる感じがする…?

ちなみに「只管打坐」(しかんたざ)という言葉があり、これは「ひたすら座禅すること」。私の場合は「只管打鍵」…(^^;)??



それはさておき、ベートーヴェンのピアノソナタ第13番第1楽章も、練習を始めてもうすぐ1カ月になる。なかなか「仕上がる」気配がない。

その一番の原因は、中間部 Allegro がなかなか上達しないことにある。いつもの「難所」と違って、コツをつかめれば何とかなるものではなさそうだ。

いや、コツもあるのだろうが、それ以上に基本的な「指使い・指運び」「手の動き」「脱力」「レガート」「スピード」などの基礎技術を上げないとうまく行きそうもない。なので「只管練習」!



…で、ひたすら同じことを繰り返すのも飽きるので、なんと!第2楽章の譜読みなど始めてしまったのだ!

そのあたりの話はこの記事(↓)に書いたが、実は基本練習を増やすことになってしまった…(^^;)。

《ベトソナをピアノ教本にしようと考えた話(畏れ多くも…)》



実は、このソナタ13番は "attacca" (休まずに)という、楽章間で休まずに続けて演奏する指定になっている。

第1楽章と第2楽章の間(↓)にも "attacca subito l'Allegro"(休まずにすぐにアレグロへ)としっかり書いてあるし、第1楽章の終わりが「終止線」ではなく「複縦線」(段落を示す)になっている。

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ちなみに、 "attacca" の意味を確認しているときに "volti subito" というのを発見した。「急いでページをめくれ」という意味らしいが、作曲家がこんなことを書き込むことがあるのだろうか?



…ということで、4月もベートーヴェンのソナタ13番を続けようと思っている。少なくとも第1楽章は「自己満足」できるレベルにはしたい。第2楽章は、指定のテンポは無理としても、いちおう楽譜通りの音が出せるまでは練習したい。

さて、どの程度まで上達するのか、まぁ気軽な「実験」ということで気楽に頑張ってみよう ♪