日米の5大オーケストラ:予算順?楽団員の給与?


米国では、オーケストラのランキングを予算(budget)で決める?らしい。下記の記事によると、そのトップ5 "Big Five" が、このところ東海岸から西へ移りつつあるとのこと。

"Official: The new Big Five"


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下記が新しい "Big Five"。トップのロサンゼルス・フィルの予算(支出)は $118M(約120億円)だ。

1 Los Angeles Philharmonic:$117,813,629
2 Boston Symphony:$88,543,401
3 Chicago Symphony:$80,482,607
4 San Francisco Symphony:$74,566,128
5 New York Philharmonic:$73,256,773

これまでの "Big Five" の常連であった "Cleveland" は6位に、 "Philadelphia" は7位に後退したらしい。



こういうのを見ると、じゃあ日本はどうなんだろうと調べてみたくなる(どうも、そういう性分らしい…)。

探してみたら、ありました!「公益社団法人 日本オーケストラ連盟」というサイトが…。しかも、嬉しいことに、細かい数字も公表している。33のプロ・オーケストラが加盟している。

「日本のプロフェッショナル・オーケストラ年鑑 2015」というのがとても詳しくて、各オーケストラの構成員(名簿)から公演内容から予算まで、まさに「年鑑」にふさわしい内容になっている。

そこに2014年度の実績の数字が一覧表で載っているのだが、そのサマリの「実績表」(2004年〜2014年)をここで見ることができる。



「2014年度の実績表」で、日本のオーケストラの "Big Five" (支出順)を見てみる。予算規模は米国の1/4くらいか…。なお、かっこ内の数字は「演奏収入」と対支出の割合である。

1. NHK交響楽団:28.4億円(12.9億円=45%)
2. 読売日本交響楽団:22.4億円(6.7億円=30%)
3. 東京都交響楽団:17.2円(5.4億円=32%)
4. 東京フィルハーモニー交響楽団:17.1億円(15.1億円=88%)
5. 東京交響楽団:13.5億円(10.7億円=79%)

僅差で日本フィルハーモニー交響楽団(13.4億円)が続く。こうしてみると、東京フィルが支出の約88%を演奏収入で得ているのは偉いもんだと思う。

じゃあ、この赤字分をどうしているかというと、文化庁や自治体からの公的支援や、民間や助成団体などからの支援でまかなっている。例えばN響は「助成団体」から14億円(ほぼ半分)、東京都響は地方自治体から10.5億円(61%)の助成/支援を受けている。



33のオーケストラ全体をまとめたグラフは下記のようになる。オーケストラの財政もかなり厳しいようだ。

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財政で気になるのは楽団員の給与…(^^;)。前述の「オーケストラ年鑑 2015」には、楽団員の人数と人件費が出ている。なので、割り算をすると平均年収が分かってしまうのだ。

興味本位で、上の5つのオーケストラの 平均年収(楽団員数、平均年齢)を計算してみた。みなさん、それなりの給与だが、N響はさすがダントツだ…。

1. NHK交響楽団:11,395千円(113人、43.6歳)
2. 読売日本交響楽団:6,079千円(98人、43.0歳)
3. 東京都交響楽団:7,549円千円(95人、44.9歳)
4. 東京フィルハーモニー交響楽団:5,924千円(133人、47.1歳)
5. 東京交響楽団:5,085千円(89人、43.7歳)



でも財政難といっても、我々聴衆も決して安くはないチケット代を払っている。関係者の中で、一番大きな利益を得ているのは誰なんだろう? 海外から呼ぶ指揮者とかソリスト??

何か、もう少しリーズナブルな価格でコンサートを楽しめるようなシステムが作れないものか? もちろん、オーケストラの楽団員も正当な給料を貰うという前提で…。



で、実は世界の「トップ5」を予算で並べたようなものを探してみたのだが、見つからず。その代わりに「人気投票」のようなものはいくつか見つかった。

例えば、これ(↓)は CNN iReport の 2015年のアンケート結果。

1.Berlin Philharmonic Orchestra(Germany)
2.Vienna Philharmonic Orchestra(Austria)
3.New York Philharmonic Orchestra(USA)
4.Royal Concertgebouw Orchestra(Netherlands)
5.London Symphony Orchestra(UK)


これ(↓)は、『レコード芸術』8月号(2013)の評論家による人気投票(を紹介したブログ記事にあったもの)。

①ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
②ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
③ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団
④シカゴ交響楽団
⑤バイエルン放送交響楽団



まぁ「予算」で演奏の質の良さが決まるわけでもないと思うが、人気投票もいろんなバイアス(聴く機会、メディアの取り上げ方、CD会社のプロモーション、評論家の好み、等々)で変わると思われるので、結局は、自分で実際に聴いてみて好みのオーケストラを見つけるしかないのだろう。







ヴァン・クライバーン国際アマチュアコンクール、何かすごい!


"SlippedDisc" というサイトに、 "The best dental pianist" という記事があった。

"dental pianst"??、歯医者のピアニスト?、歯のピアニスト?って何だろうと思ってみると、「ヴァン・クライバーン国際アマチュアコンクール」の結果だった。1位になった人の職業が歯医者さん…。

歯医者さんといっても "periodontist" と書いてある。これは「歯周病専門医。 欧米先進諸国では歯周病とインプラント治療のエキスパート」だそうだ。



ピアノで稼いでいる人は出場できないので、入賞者リスト(↓)には職業が書いてある。例えば、2位の人は元 "ophthamologist"。これも難しい単語だが「眼科医」らしい。"stay-at-home mother" は「専業主婦」ということか…。

1位:Thomas Yu, 38, periodontist (Canada)
2位:Michael Slavin, 65, retired ophthamologist (United States)
3位:Xavier Aymonod, 40, strategy consultant (France)
審査員賞:
 Deirbhile Brennan, 46, accountant (Ireland)
 Lana C. Marina, 47, stay-at-home mother (United States)


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「ヴァン・クライバーン国際アマチュアコンクール」の公式サイトを見てみると、なかなか充実していて、ちょっと驚いてしまった。

68人の出場者全員の写真も掲載されているし、ライブ・ストリーミングもあったようだし、YouTubeチャネルのアーカイブも立派なものだ。

このコンクールの直前にあった(らしい)「ロベルト・シューマン国際コンクール」の公式サイト?のショボさ、情報のなさから比べると雲泥の差である。

ちなみに、シューマンコンクールで日本人2人が1位なしの2位・3位に入ったことも、あまり話題になっていないような…。

「梅村知世さん(27)が2位、阿見真依子さん(29)が3位」という記事



アマチュアとはいえ、コンクールの中身もしっかりしている。Preliminary から Final まで、4つのラウンドがあり、Final は1楽章だけとはいえコンチェルトを弾く必要がある。

賞金は、1位が $2,000(と2017年のヴァン・クライバーン国際ピアノコンクールのオフィシャル・ゲストとしてペアの招待券)、2位が $1,500、3位が $1,000 なので、こちらは少額だ。

交通費や宿泊費は自己負担なので、日本から行くと、優勝してもアシが出る…。

ちなみに、日本からも7人ほど参加している。職業・年齢はこんな(↓)感じ。みなさん、現役で職業を持っている人のようで、偉いもんだと感心する。

Web designer, 47
College physics instructor, 35
Management consultant, 50
Ophthalmologist, 55
Software engineering manager, 49
International civil servant, 57
Human resources director, 40



もしや、と思ってねもねも舎のブログをチェックしたら、こんな(↓)記事があった。自分には(当然!)関係ないと思って読み飛ばしていたみたいだ…。

「ヴァン・クライバーン国際コンクールの申し込み締め切りまであと6日!(ただしアマチュア向けコンクール)」

アルゲリッチとか雲の上だと思っていたが、その雲のかなり下の方にも、私から見ると「雲の上」としか思えない、こういう世界もあったんだ…、と妙な感想を持ってしまった…(^^;)。







近況:ブラームス間奏曲Op.117-1、進捗マップ?


ブラームスの間奏曲 op.117-1 もすでに4週間になるので、ここら辺で中間の振り返りをしてみたい。

前回の近況報告で「(3部形式 ABA' の)各パート、1段階ずつ前進していることを報告できるようにしたい」と書いたが、それはまずまずの進捗(↓)。

A → 「3. 部分練習」中(継続中)
B → 譜読みを完了して「2. 暗譜」中(1段階前進)
A' → 暗譜を完了して「3. 部分練習」中(1段階前進)

参考:《私のピアノ練習手順:1曲を仕上げる?まで》



もう少し細かく見るために、楽譜の「弾けてない部分」に色付けをしてみた。その結果がこれ(↓:進捗マップ?)。

Brahms117-1map.png


1ページ目の A 部分は、あと一息という感じ。2段目の後半は A' にも出てくるので、それと合わせて練習すれば良い。

意外と引っかかるのが、3小節目や5小節目などの1拍目の和音。これが、スッと押さえられない。ちょっと間(ま)が空いてしまうのだ。音が飛んでいることが原因だと思われる。

B 部分(2ページ目)は、思ったより進んでいる。最初に、基本パターン(冒頭の2小節)の練習に集中した成果が出ているのではないかと思う。「暗譜」がやや難航。音のイメージがあと一歩という感じ…。

A'(3ページ目)は、まだまだである。予想では、B の方が難しいと思っていたのだが、実際に弾いてみると A' の方が手こずっている、というのが今の状態…。



で、そろそろ「難所」認定が必要かもしれない、と思い始めた。

B のところは、次の1カ所(1小節目)が最後まで残りそうだ。オクターブを含む8つの音を同時につかむのはやはり難しい。

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A' 部分は、弾けてない部分がたくさんあるのだが、最後まで残りそうなのは次の箇所。もう一息なのだが、そこから先がしんどい…のだ。

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全体として、少し中間まとめをしておくと…。

1.28段階難易度で21の曲に「実力レベル15、目指せ17」の私が挑んでいることを考えると、「弾けるかも?」と思えるところまで来たことは上出来であろう。

2.3部形式の各パートごとにアプローチ方法を変えたことは、これまでのところうまくいっている。とくに B 部分の慣れないパターンの集中練習は効果があった。

3.この曲の一つのポイントとなりそうだった「オクターブを含む多音の和音」もある程度脱力して弾けるようになってきた。《ピアノを弾く手を作る:指を広げる体操 ♪》が効いたのではないか。

4.ブラームスとこの曲のことを調べたことも、弾くときの参考になっている。とくに "Tips" は実際の練習に役立っていると思う。

《ブラームスの間奏曲 Op.117 を弾くために(とりあえず)》
《ブラームスの間奏曲 Op.117 を弾くためのTips(コツ?)》



…と、ここまではわりと順調に来ているので、この調子で難所などもクリアしていきたい。

なによりも嬉しいのは、このところ練習のあとに指が痛くならないこと。今年の目標の一つにしている「ラクに弾くこと」が少しは進歩しているような気がしている。その意味でもこの選曲はよかったと思う ♪







犬がオペラを観る時代?:一流ホテルのペットサービス事情


ピアノとは直接関係ないが、コンサートとはちょっと関係のある話。

最近はペットOKのホテルが増えているようだが、ウィーンの一流ホテルのペットサービスはさすがに一味違う。犬のオペラ観劇さえアレンジしてくれそうな勢いだ。


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BBCニュースのビジネス欄の記事(↓)によると、最近、ペットOKのホテルが増えているらしい。Hotels.com に登録されている 325,000 のホテルのうち1/4がペット同伴OKだそうだ。

"Canine check in: The rise of pet-friendly hotels"
("canine" は "dog" を少し気取っていう単語)

そして、増加に伴い、ペットサービスの内容も進化しているようなのだ。「ペットOK」から「ペットもお客様」という方向へ…。



PARK HYATT VIENNA.pngたとえば、ウィーンの五つ星ホテル、パーク ハイアット ウィーン(Park Hyatt Vienna:写真→)では、客(飼い主)の要望に応じて、できることは何でもやるらしい。


ホテルのマネージャの説明によると、「もしその犬が(犬だけで)オペラを観たいとすれば、チケットの手配からリムジンでの送り迎えもやります」とのこと。劇場側がOKであれば、という条件付きだが…。

客(飼い主)がオペラを観に行くときは、その間ペットの世話をするのはもちろん、オペラの休憩時間にペットと会いたい場合、ホテルから劇場までペットを連れていくサービスも可能らしい…(^^;)。

まぁ、そこまでやるか!?という気がしないでもないが、要は「ビジネス」なので、ニーズがあればそれ相応のお金を戴いてやりますヨ…ということなのだろう。

ちなみに、"Very Important Dog" サービスというものがあり、€35(約4,000円)である。が、これは基本料金のようなものなので、オペラ観劇や送迎は別料金がかかる…。



この記事には、他にもいくつか紹介されていて…。

これは "pet concierge" (ペット専任コンシェルジェ)。

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これはペット用の立派な "welcome package"。

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写真を見ていると、何だかこの犬たちがセレブに見えてくる。本当にセレブなのはその飼い主なんだろうが…。

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ピアニストの平均年収は?


昨日夕刻、書きかけの記事をアップしてしまいました。
失礼しました…<(_ _)>。


「世界のトップ・ピアニストの年収ってどんなんでしょうね(わからん)」という、ねもねも舎の記事に触発?されて、ピアニストの収入をネットで調べてみた。

…といっても、専門家のねもねもさんが「わからん」と言っているものを、素人が探せるはずもない。でも、ちょっと面白い記事やサイトを見つけたので、いくつかご紹介する。



一つ目は、"10 Richest Pianists In The World" という記事。世界の金持ちピアニストのトップ10だそうだ。

"Net Worth" と書いてあるので、年収じゃなく資産かな? クラシックだけではないので、トップはエルトン・ジョンだ。彼は、Forbes の "The World's Highest-Paid Celebrities 2015 RANKING" にも「31位 $53.5 M」で登場する。こっちは年収?("paid")

1. Elton John : $440 Million
2. Billy Joel : $160 Million
3. John Williams : $100 Million
4. Daniel Barenboim : $50 Million
5. Yanni : $40 Million
6. Lang Lang : $20 Million
7. Sara Bareilles : $16 Million
8. Regina Spektor : $12 Million
9. Michael Feinstein : $10 Million
10. Jools Holland : $2 Million


バレンボイムが4位だが、これは音楽監督とか指揮者としての収入の方が多そうだ。6位のラン・ランも、どちらかというといろいろ手を出しているビジネスの収入かも…。

《The ONE スマートピアノの無料アプリは使えるかも…♪》



次に見つけたのが、 PayScale という米国のサイト。

アメリカの Pianist の Salary が出ている(↓)。"Salary" というからには、雇われピアニストのような人なのか?

100円/$で計算すると、平均時給が 2,500円、年収が 143万円〜1,067万円(平均 280万円)となっている。元データが54人と読めないこともないので、どのくらい実態を反映しているかはよく分からない。

PianistSalaryUS.png




もう一つ、似たような SalaryExpert というサイトもあった。

こちらは、"Concert Pianist" というカテゴリがあって、米国全体での平均年収は 689万円と上のデータよりはかなり高めである。時給も 3,300円になっている。

ConcertPianistUS.png



面白いことに、日本の数字も見ることができる。…のだが、これがとんでもない!?金額になっている(↓)。

"$7,457,126."と書いてあるので、日本円に直すと 7億4,571万円となる!!

誰かスーパーピアニスト1人だけのデータなのか、何かの間違いか? もしかして内田光子さん? そんなわけないか…(^^;)。

ConcertPianistJP.png



私の推測:これって、単位が "$" じゃなく "¥"なのでは?

とすると、平均年収 746万円、時給 3,585円となる。どういうピアニストのデータなのかが不明だが、これでもちょっと高めのような気がする。アメリカより高い…。

試しに"Office Clerk"(事務員)で見てみると、同じように単位が"¥"だとすると、平均年収 404万円となる。これも平均値としては高いのでは?(たまたま見た日本のサイトでは 250万円とありました…)

単位の問題じゃないとすると、使っているデータの問題か? ただ、ピアニストが事務員の1.8倍というのは、もしかすると近い数字なのかも知れない。業界事情にまったく疎い門外漢の邪推ですが…(^^;)。



まぁ、こういう数字は、調査方法とか調査対象のことがきちんと分からなければ、ほとんど意味がないのだが…。ピアニストと言っても、いろんな働き方・稼ぎ方がありそうだし、普通のサラリーマンのような統計データはそもそも存在しないのかも知れない。

…ということで、結論としては、ねもねもさんと同じ「わからん」になってしまいました…<(_ _)>。